2月18日(金)に福島県福島市の福島ビューホテルで第9回「全国納豆鑑評会」が開催されました。全国納豆鑑評会は、全国納豆協同組合連合会(納豆連)に加盟する全国の納豆製造メーカーが1メーカー1製品、市販している自社納豆を出品し、その中から本年度の納豆日本一を決める恒例の行事で、納豆の製造技術、および品質の向上を目的として行われます。
第1回の東京大会を皮切りに全国各地で開催され、昨年は愛知県名古屋市で開催されました。記念すべき第10回目となる今回の鑑評会は、124メーカーの商品が出展。大豆の内訳は国産61%、中国産33%、アメリカ・カナダ6%。色・形・におい・糸引き・味の5つの項目を評価し、5点満点の整数で出展納豆それぞれに点数をつけて審査が行なわれました。当日は多数のメディアが会場に訪れ、納豆に対する関心の高さがうかがわれました。
また、開催地福島県は、納豆の消費量日本一(県庁所在地別)で、多数の納豆博士を生み出した「納豆王国」としても知られています。今回は一般の方もお招きして、福島県出身の納豆博士、永山久夫先生(西武文理大学・客員教授)のよる記念講演「納豆は世界一の長寿食」も開催され、会場いっぱいの聴衆が詰め掛け、立ち見の出る大盛況となりました。
栄えある最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞したのは、(有)阿部納豆店(長野県)の「北海道産小粒大豆」で、今回初めてのでの最優秀賞受賞となります。
なお、次回第11回全国納豆鑑評会は来年度に静岡県で開催される予定です。
以下、審査員のコメントを付記します。
どれも最適な発酵状態で、発酵のタイミングが鑑評会で最適になるように出品してきている。
今年は全体的にはやわらかめの納豆や、旨みのある納豆が多かった。今回の審査で特に重点を置いたのは、糸引き。糸引きが良くなされるのは、納豆菌が均一に混ざっている証拠であり、また適度な発酵が条件であることから、非常に細かい注意が必要とされ、審査の目安となるので、糸引きを特に注意してみていた。
鑑評会に出品される商品も、最初の2・3回はひどいものも結構あったが、全体的なレベルは納豆連の掲げてきた品質向上の目標レベルに到達した。そのため、審査員も審査に苦労した。こういう高いレベルでの鑑評会が、納豆業界全体の向上にもつながっている。
出来の良い納豆が多い。発酵・糸引きともにレベルが高い。
小粒・極小粒部門に関しては、豆も均一化していて、全体的な味の感触も優劣をつけがたい。どの都道府県でも、全体的に納豆を食べるようになってきたので、全国的に品質レベルが向上してきたのではないだろうか。逆に、審査する側からすると、大変苦労した鑑評会であった。
年を追うごとに出品商品のレベルが上がってきており、大変驚いている。
今回の鑑評会では、発酵の差が感じられるところもあり、発酵の浅いもの、深いものに分かれた。最良の発酵状態で出品してきている出品が多く、甲乙つけがたい。もはや、ごはんが無くとも問題ないぐらいに、納豆自体がうまい。
福島市民は今年、消費金額で茨城県を抜き全国1位になった。よく納豆について勉強しているからだと思う。自分の出身地でもある福島で、このような審査が出来たことを大変うれしく思う。