2月15日(金)、今年度の納豆日本一を決める第13回「全国納豆鑑評会」が、石川県金沢市の金沢エクセルホテル東急で開催されました。全国納豆鑑評会は、全国納豆協同組合連合会(納豆連)が主催する、納豆の製造技術と品質の向上を目的としたコンクールです。第1回東京大会より、年に1度、全国各地で開催されている恒例の大会で、昨年は山形県山形市で開かれました。
審査の対象となるのは、納豆連に加盟する納豆製造メーカーから1社1点が出品され、市販されている製品です。審査は「味・色・形・香り・糸引き」の5項目において、5点満点で評価され、もっとも高得点を獲得した製品が最優秀賞(農林水産大臣賞)に選ばれます。
ヘルシーフードとして安定した人気を誇る、納豆の日本一を決める大会として、全国納豆鑑評会への注目も年々大きくなっています。13回目を迎える石川大会で、総出展数120点の中から最優秀賞を受賞したのは、小粒部門に出展された(有)菊水食品(茨城県)の『海洋ミネラル納豆ミニ2』。
このほか、優秀賞・優良賞として大粒・中粒部門、小粒・極小粒部門の各部門から4点ずつ、特別賞として北陸農政局長賞が、研究者、文化人、栄養士ら19名の審査員により選出されました。
会場となった石川県を含む北陸地方は、全国でも納豆の消費量が多く、週に1回以上納豆を食べるという人が全体の8割以上です。
来年度の第14回全国納豆鑑評会は鹿児島県で開催される予定です。
以下、審査員のコメントを付記します。
毎年、確実に技術が向上しており、今年も全体的に高レベルのものが集まった。小粒・極小粒部門では、見た目は整っているものが多かったので、豆の旨みがよく出ているものに高得点をつけた。
なるべく厳しく点数をつけたが、全体的に状態がよく、作りたての粘りややわらかさを保ったものが多く見られた。その一方で、発酵が進みすぎて黒ずんでいるものや、噛んだ時に固さが残るものもいくつかあったのが残念だ。しかし、数点はとくに状態が良く、納豆そのものの旨みが感じられたので、高得点をつけたものもある。
審査の時間に合わせて、ちょうどよい発酵の状態になるようにつくられたかどうかが、高得点の決め手になった。全体的な技術レベルはほぼ拮抗しているので、見た目の優劣はほとんどなく、できの悪いものはほとんどなかった。
今年は納豆の当たり年といえる。大豆そのものの味がよく出ていて、タンパク質が分解され、アミノ酸が増えているなと感じた。毎年、品質は向上していると感じるが、今年も4〜5点の高得点をつけたものが全体の1割ほどあった。大粒・中粒部門では納豆の弾力があるもの、噛みごたえのあるものがおおく、全体的においしいと感じた。
近年は、香りや粘りが控えめのものがふえているが、やはり納豆らしい味やにおいが納豆のよさだと思う。小粒・極小粒部門は全体的に見た目がよく、粒のそろった品が多く、得点は競っていた。
納豆に関する専門的な知識はないので、個人的な味やにおいの好みで得点をつけた。それぞれ味や風味が異なっていたが、どれも香ばしく、おいしいと感じられた。たくさんの納豆を食べくらべるというのは初めてで、楽しかった。
両部門ともにレベルの高いものが集まった大会だった。豆の色や粘りぐあい、納豆菌のつきぐあいをよく見て、得点の基準にした。やわらかい中にも納豆そのものの歯ごたえがあるものが望ましいが、今回の大会では満点の5点をつけたものも数点だがあった。
味は1つ1つ特徴があったが、どれもおいしく、優劣がつけがたかった。見た目や食べたときの印象で得点をつけたが、豆そのものの味がよくでていたと思う。
本年度 入賞作品(中央左が最優秀賞の「海洋ミネラル納豆ミニ2」)