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日本一おいしい納豆に選ばれたのは
(有)増屋納豆店の川中島納豆!!

第14回「全国納豆鑑評会」鹿児島大会

昨年話題を呼んだ大河ドラマ「篤姫」の舞台であり、今年の7月には日本で唯一「皆既日食」が観測できる県、鹿児島。雄大な桜島を望む鹿児島市の城山観光ホテルで、平成21年2月13日(金)第14回「全国納豆鑑評会」が開催されました。全国納豆鑑評会とは、全国納豆協同組合連合会(納豆連)に加盟する納豆製造メーカーが自社の納豆(1企業1点)を出品し、その中から日本一の納豆(農林水産大臣賞)を決定する大会です。

納豆の製造技術の改善と、品質の向上を目的として行われているこの品評会は、第1回の東京大会を皮切りに今年で14回目。今回は全国各地から113のメーカーが出品しました。審査員は研究者や文化人、省庁関係者などからなる総勢20名。納豆は「色・形・におい・糸引き・味」の5項目で審査され、ひとつの出品に対して5点満点で評価されます。

今年の大会で、日本一おいしい納豆の栄冠に輝いたのは(有)増屋納豆店の川中島納豆。このほか小粒・極小粒部門、大粒・中粒部門からそれぞれ優秀賞と優良賞が4点ずつ、また特別賞が3点、計12点が受賞しました。

会場となった鹿児島県は、納豆の消費金額が高く、西日本でも上位を占めており、古くから学校給食に納豆が取り入れられたという歴史もあります。納豆が幅広い年代層に親しまれている鹿児島で開かれた鑑評会は、地元のメディアなども多数集まり、大盛況のうちに終了しました。来年度、第15回納豆鑑評会は京都府で開催される予定です。

以下、審査員のコメントを付記します。

講評

笹沼隆史さん(全国納豆協同組合連合会 会長)

笹沼隆史 納豆連会長

生産者のみなさんが一生懸命つくられているのでしょう。味もおいしく、小粒・極小粒部門は、全体的にレベルアップしていると感じました。味が落ちると感じたものは、ほとんどなかったように思います。よって、見た目や糸引きなどで差別化し、状態がよかったものに高い点数をつけました。逆に大粒・中粒部門は、全体的にすこし厳しい評価をしました。しかし、なかには素晴らしい出来の納豆もあり、高く評価したものもあります。

吉良元雄さん(全国納豆協同組合連合会 副会長)

全国納豆協同組合連合会 副会長 吉良元雄さん

鑑評会も今回で14回目ですが、年々おいしくなっているという気がします。今年も大変レベルが高いという印象でした。納豆は醗酵している具合が見てわかりますから、審査はやりやすいと思います。品質も拮抗していますし「どういった部分で判断し、高い評価をつけるか」という点においては審査員の好みもあると思います。

須見洋行先生(倉敷芸術科学大学 教授)

須見洋行先生(倉敷芸術科学大学 教授)

小粒・極小粒部門も大粒・中粒部門もそうなのですが、とくに大粒・中粒部門はどれも質が高く、評価するのがとてもむずかしかったです。品質はどれも競っていて、非常にレベルが高いと感じました。私は、どちらかというと見た目よりも、自分の味覚で判断するタイプですので「これはうまい!」と思ったものに高得点をつけました。

永山久夫先生(食文化研究家 西武文理大学客員教授)

永山久夫先生(食文化研究所 所長)

全国から様々な種類の納豆が集まっているわけですが、非常につぶが揃っていて、甲乙つけるのが難しかったです。今回で14回目ですが、生産者のみなさんが「もっとおいしい納豆を」という思いでつくられているからでしょう。その努力が実った結果といえるのではないでしょうか。豆自体が固くなく、それでいて噛みごたえがあるものが多かったです。

鈴木敏之さん(納親会 会長)

納親会 会長 鈴木敏之さん

小粒・極小粒部門は、例年よりすこし品質が落ちた印象がありました。醗酵の状態がほどよい状態ではないものもありましたが、これは出品するタイミングの問題でしょう。会場が鹿児島県ということもあって、納豆そのものを最良の状態にもってくるのが、すこし難しかったのかもしれません。もちろん質の高い納豆もありましたし、5点満点をつけたものもあります。

福永利徳さん
(農林水産省 九州農政局 生産経営流通部 食品課 課長)

福永利徳さん(農林水産省 九州農政局 生産経営流通部 食品課 課長

過去にお茶などの品評会にたずさわった経験はありましたが、納豆の審査は初めてでした。こういった鑑評会は、納豆のブランド化や消費拡大につながると思いますし、生産者にとっても技術アップを目指すよい機会だと思います。納豆にも、いろいろな種類があることを知り、自分自身勉強にもなりました。

安藤義則さん
(鹿児島県工業技術センター 食品工業部主任研究員)

安藤義則さん(鹿児島県工業技術センター 食品工業部主任研究員)

まず見た目を重視して審査したのですが、豆がきれいに揃っていて、見た目で「おいしそうだな」と思えるものがたくさんありました。味もバラエティに富んでいて、納豆の奥深さを感じました。豆本来のやわらかい甘みがあるものに高得点をつけましたが、欠点のあるものが少なく、全体的なレベルも高かったように思います。

田丸保夫さん
(鹿児島県農産物加工研究指導センター 流通保蔵研究室長)

田丸保夫さん(鹿児島県農産物加工研究指導センター 流通保蔵研究室長)

こんなにたくさん納豆を食べる機会はないものですから、納豆の種類の豊富さをあらためて感じました。食べやすいものと食べにくいものの差があったと思います。美味しいものは、本当においしかったです。個人的には、食べたときの第一印象(食感)と後味に重きをおいて審査しました。

早田邦康先生(自治医科大学さいたま医療センター 准教授)

品質が高くて、レベルが接近しているという感想です。ただ個人的な希望を言うと、もっと「個性」のある納豆があればいいなと思います。私の審査基準は、見た目などではなく単純に「おいしいかどうか」という点につきます。よって私の好みも反映されると思いますが「本当においしいな」と感じるものがいくつかありました。

納豆写真

本年度入賞作品(写真中央が最優秀賞の川中島納豆)

鑑評会の風景

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