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今年度の日本一おいしい納豆は
内藤食品工業鰍フ「おらが街」に決定!

今年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の舞台の1つでもあり、1300年の歴史を持つ古都・京都。そんな京都の町を360度の大パノラマで一望できる「京都タワー」の真下、京都市の「京都タワーホテル」にて、平成22年2月5日(金)に第15回「全国納豆鑑評会」が開催されました。

全国納豆鑑評会とは、全国納豆協同組合連合会(納豆連)が主催する品評会で、日本一の納豆(農林水産大臣賞)を決定する毎年恒例の大会です。納豆の製造技術の改善と品質の向上を目的として始まり、第1回の東京大会を皮切りに全国各地で開催されてきました。昨年度の第14回は鹿児島でした。

審査対象となる納豆は、納豆連に加盟する納豆メーカーが自社製造する納豆。今回は総出展数が171点で、その内訳は小粒・極小粒部門で86点、大粒・中粒部門で85点でした(1企業1部門につき1点までの出展)。審査するのは、研究員、文化人、食品関係者、省庁関係者など総勢22名。評価方法は「色・形・香り・糸引き・味」の5項目においてそれぞれ5点満点で評価されます。

そして今年度、栄えある最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞したのは、北海道室蘭市にある内藤食品工業鰍フ「おらが街」。このほか、2部門それぞれから、優秀賞が各3点と優良賞が各1点、さらに特別賞(近畿農政局長賞)が1点、永山久夫賞が2点選出されました。これら入賞した商品は、5年間にわたり、パッケージに受賞した賞を明記する栄誉が与えられます。

会場となった今日の京都は朝から寒々しい1日でしたが、審査員の先生達の白熱した審査に寒さを忘れるほどでした。賞を獲得したメーカーの方々は受賞の喜びに心まで温くなったことでしょう。京都は古来より、こうじ菌で発酵させた独特の風味と塩辛さがある「寺納豆」が禅宗系の寺で作られてきた、納豆に馴染み深い町です。昨年3月には、08年度のミス納豆が京都府の山田知事を表敬訪問させていただきました。来年度の第16回全国納豆鑑評会は北海道で開催される予定です。

以下、審査員のコメントを付記します。

講評

全国納豆協同組合連合会 会長 笹沼隆史さん

全国納豆協同組合連合会 会長 笹沼隆史さん

ここ最近、年々レベルが上がってきています。今回は大粒・中粒部門を審査しましたが、納豆そのものの味がとてもいいですね。ただ、輸送上の温度管理など、何らかの理由で色や見た目に変化してしまっているのが幾つかあったのが残念です。個人的な好みでは、飴色で、糸が流れたり、発酵が少し進んでいるのが好みです。

須見洋行先生 (倉敷芸術科学大学 教授)

須見洋行先生(倉敷芸術科学大学 教授)

第1回目から参加していますが、毎年良くなっていますね。審査では付属のタレをつけずに納豆そのものの味を評価しますが、今回は「一般の人が普段食べる場合はどれを選ぶか」を基準に考えました。最近の若い人はマヨネーズを入れるなど食べ方も多彩なので、ハーブ入りのタレなど、若者向けに開拓するのもいいかもしれませんね。

早田邦康さん(自治医科大学さいたま医療センター 准教授)

早田邦康さん(自治医科大学さいたま医療センター 准教授)

今年もまた、どれも品質がいいです。ただ、個性が無くなりましたね。良く言えば嫌味が無く安定してきたけれど、納豆臭さなど納豆の“らしさ”がありませんでした。今回審査を担当した大粒・中粒は、大豆の味が全面に出てきます。なので、大豆の味ではなく、発酵や手を加えた納豆の味や香りに重点を置いて評価しました。

永山久夫先生 (食文化研究所 所長)

永山久夫先生(食文化研究所 所長)

消費者側のレベルが上昇し、作る側も原料大豆にも気を配るなど、年々改良されているようですね。今回私が重視したのは「完全に発酵していること」です。完全に発酵していると糸がストーンとまっすぐ伸び、息を吹きかけるとまた伸びます。今年の納豆はそれが多かった。これはアミノ酸が多くておいしい証拠。今年の納豆は食べ得ですよ。

藤田邦夫さん(農林水産省 近畿農政局 生産経営流通部食品課 課長)

藤田邦夫さん(農林水産省 近畿農政局 生産経営流通部食品課  課長)

今回初めて参加しましたが、原料は同じ大豆なのに、これだけ違うものかと衝撃を受けました。胚芽付きの納豆や黒豆納豆など、今まで食べていた納豆とは全然違う味もあり、「これが納豆?」と驚きました。個人的には粒がしっかりして噛みごたえのある納豆が好きですね。色が薄いとおいしそうなど、消費者目線で選びました。

長谷川裕正さん(茨城県工業技術センター 食品バイオ部門長)

長谷川裕正さん(茨城県工業技術センター 食品バイオ部門長)

今年はいいのが揃っていましたね。ただ、全体的にはいいけれども、極端に悪いものも無いかわりに、ズバ抜けていいものも無かったです。また、今日は気温が低かったので鮮度が保たれたのも良かったと思います。審査日の今日がベストな状態になるよう、気を配ったメーカーも増えたようですね。

須田樹弘さん((株)大丸京都店 食品部 部長)

須田樹弘さん((株)大丸京都店 食品部 部長)

初めての参加だったのですが、あまりに多くの納豆を審査して臭いにマヒしそうでした。でも、種類ごとに色つきや香りが全然違うのは驚きでした。個人的には、香ばしさと独特のこげ臭がある納豆が好きで、いざ食べ比べてみると、粒のシワがより寄っている方が香ばしく感じましたね。ネバネバ感が強いものも好きです

佐藤泰明さん(特定非営利活動法人 京都龍馬会)

佐藤泰明さん(特定非営利活動法人 京都龍馬会)

私は京都出身ですが、納豆は幼い頃から、お味噌汁に刻んだ玉ネギなどと一緒に納豆を入れて食べていたので、とても馴染みがあります。お味噌汁の納豆のイメージが強いので、今回の審査ポイントは食感を重視しました。やわらかい納豆が好みなので。また、個人的にですが、納豆の糸引きが多い方が、旨みと栄養が多い、というイメージがありますね。

納豆写真

本年度入賞作品(写真中央が最優秀賞のおらが街)

鑑評会の風景

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