■最優秀賞(農林水産大臣賞)
「日本の黒豆」
株式会社小杉食品(三重県)
代表取締役 小杉悟さん
鑑評会会場で受賞の発表を聞いたときは、本当に驚きました。
まさか最優秀賞とは思っていなかったし、最優秀賞の発表は最後なので、他の賞が発表されたときに弊社の商品名が読み上げられず、ああやっぱりダメだったかと落ち込んでいたところでした。そのため、喜びもひとしおでしたね。
今回の鑑評会には、弊社の社員も連れていったので、受賞の瞬間に皆で立ち会うことができて本当によかったです。特に、発酵の担当者であり一番工夫をしていた社員は、涙を流して喜んでおりました。
受賞後は地元の新聞などにも取り上げていただき、お客様からの問い合わせもたくさんありとても嬉しかったです。私だけでなく、働いている従業員の皆にとっても大きな励みとなって、今後さらに頑張れればと思っております。
受賞した「日本の黒豆」は、北海道の黒大豆を使用しているため、コクがあり納豆臭が少なく、糸引きも通常の納豆に比べるとなめらかなので食べやすいといった特徴があります。普通の大豆で作った納豆ではなく、黒大豆で受賞したというのは、京都の審査員の方にこうした黒大豆ならではの良さや特徴を評価して頂いたからではないかと考えています。
黒大豆の皮は繊細で破れてしまうため、機械で豆の洗浄をすることができません。丁寧に手洗いで洗浄し、その後の工程でも皮が破けないように気を使っております。とても手間をかけて製造している納豆なんですよ。そのため受賞は非常に嬉しいのですが、注文が殺到してもそんなに大量には生産できないので、工場ではどうしようと悩みながら作っています。
また、黒大豆の産地である北海道では昨年台風がいくつも発生して、非常に作柄が悪かったため、原料の手配に苦しんでいるのが現在の課題です。
今後の目標は、来年の鑑評会において、今度は普通の大豆を使用した大粒やひきわりなど、他部門でも受賞できるよう、もう一度研究し直していきたいと思います。
受賞がゴールではなく、新たなスタート地点に立ったと考え、より安全でおいしい納豆を作っていけるよう頑張っていきたいと思っております。