日本が世界に誇る総合栄養食「納豆」の日本一を決める「全国納豆鑑評会」の第25回大会が熊本県熊本市で開催され、全国73メーカー、総出品数189点の中から、愛知県の(有)高丸食品の「国産中粒納豆」が栄えある最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞しました。昨年、一昨年に続き3年連続の受賞という偉業を達成しました。
令和2年2月21日(金)、第25回「全国納豆鑑評会」が熊本県熊本市の「ザ・ニューホテル熊本」にて開催されました。熊本といえば、豊かで清らかな水に育てられた作物で有名。その礎を作った治水の名人、加藤清正公は納豆発祥伝説の一人であり、熊本市は西日本で納豆消費が盛んです。納豆との深い関わりのある熊本県に敬意を表し、また、2016年に発生した熊本地震により、九州納豆組合でも被災したメーカーがいることから、大会を通して納豆の九州におけるマーケットを盛り上げたいという想いから熊本県での開催に至りました。
審査対象となる納豆は、納豆連に加盟する納豆メーカーが自社製造する納豆で、今回の総出品数は全国73メーカーから189点。審査員は、研究者・文化人・食品関係者・省庁関係者など総勢31人で、評価方法は納豆の「外観(見た目)」、「香り」、「味・食感」の3項目について、秀でたものを5点、劣るものを1点として出品納豆に点数がつけられ、合計点数上位から受賞納豆が決定します。
最優秀賞を受賞した(有)高丸食品の「国産中粒納豆」のほか、小粒・極小粒部門および大粒・中粒部門から優秀賞が各3点、優良賞が各2点、九州大会特別賞として熊本県知事賞が各1点、熊本市長賞が各1点、九州農政局長賞が各1点、ひきわり部門から全国納豆協同組合連合会長賞が1点、納親会長賞が1点、アメリカ大豆部門からRed River Valley U.S.Awardが1点、アメリカ大豆サステナビリティアンバサダーアワードが1点、合計20点が選出されました(最優秀賞を含むと合計21点の賞が授与されました)。
集計作業中、会場では、世界納豆普及協会主催の「第9回世界納豆まぜまぜ選手権」および「第9回世界納豆のびのび選手権」が開催されました。会場には熊本県ご当地キャラのくまモン、地元納豆メーカーのゆるキャラ、納豆の妖精「ねば〜る君」、ミス納豆の菖蒲理乃さんも応援にかけつけ、大いに盛り上がりました。
「まぜまぜ選手権」は、納豆を混ぜる動作の美しさと混ぜる回数を競うもの。2人の出場者がそれぞれ1分間にかき混ぜた回数の合計値で争われます。地元の熊本県からはもちろん、東京や他県からも参加されました。 その中で見事優勝されたのは、チーム「テレ熊大分」さんで、大会新記録となる136回でした。
「のびのび選手権」は、混ぜた納豆から伸ばした糸の長さを競うもので、チーム「かぼす」さんが16.34mの大記録を出し優勝しました。さらに、特別賞として大会を盛り上げてくださったチーム「たけだ」さんがねば〜る君賞を受賞しました。
さらに、熊本県の筋肉ユニット「マッスルアップ熊本」のスガッシュさん、たいちゃんさんが登場。会場にいる全員で元気体操に参加し、一体感に包まれました。
今回の熊本県熊本市での全国納豆鑑評会にご来場いただき、会場を盛り上げてくださった一般来場者の方々や関係者の皆さま、そして報道関係者の方々、本当にありがとうございました。これからも、日本の伝統食納豆の魅力を伝えるため普及活動に努めていきたいと思います。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、納豆連では会場入り口でのアルコール消毒の実施、マスクの有無の確認をし、マスクが無い方には納豆連から配布するなど徹底した対策を行いました。
来年度の第26回全国納豆鑑評会は愛知県で開催される予定です。来年もぜひご参加ください!!
以下、審査員のコメントを付記します。
大粒・中粒部門を担当した。今年は非常に品質にばらつきが多いと感じた。審査において一番意識しているのは食感。固すぎるもの、水分を入れすぎて水っぽくなりふにゃっとしているものが多く見られた。一方、良かったのは、“納豆らしい納豆”。昔は経木やわらで納豆を作っていると、水分が発酵しながら自然に抜けていったものだ。納豆はある程度水分が抜ける食べ物だ。そういう納豆らしい食感があり、しかも甘みに近いうま味があるものに高得点をつけた。
小粒・極小粒部門を担当した。全体的にレベルがものすごく上がっていて、最高レベルにまで達しているのではないか。そのため審査は難しかった。
私個人としては個性のある納豆が好きなのだが、昔よりも大豆の選別がしっかりとしてきており、一般受けするような納豆が多くなった気がする。審査員としては、個性のあるガツンとくるような納豆があっても面白いのではないかと思う。
大粒・中粒部門を担当した。納豆を審査するのは初めてなので非常に難しかったが、違う世界が見れて楽しかった。審査のポイントとしては、食感、外観などで判断させていただいた。その中でも、青大豆のような枝豆っぽい納豆が出品されていて、豆の風味を感じられて好みだった。
小粒・極小粒部門を担当した。みなさん一生懸命作っていらっしゃって、全部美味しかった。審査においては食感と風味を重視した。中でも、私は昔わらつと納豆を食べていて固めが好きなので、昔ながらの納豆には高い点数をつけさせていただいた。
小粒・極小粒部門を担当した。納豆と一口に言っても、色んな味、固さがあり、全然違うことに非常に驚いた。審査のポイントは、粒ぞろい、香り、味でそれぞれ好きなものに高得点をつけた。特に固め、豆の味が濃いものに高得点をつけさせていただいた。全国納豆鑑評会は、消費者の皆さんの納豆への関心が高まるきっかけとなる良いイベントだと思う。
ひきわり・アメリカ大豆部門を担当した。ひきわりは品質にばらつきがあるように感じた。
ひきわりも細かいもの、大きめあるので好みが分かれると思う。アメリカ大豆は良いものが多かった。中でも糸引きが良く、味も美味しいものが見られた。
小粒・極小粒部門を担当した。全体的に良いものが揃っていたが、中には固すぎる、あるいは柔らかすぎるもの、色が悪いものも見られた。レベルとしては平年並みだと思う。良いと感じた納豆は、豆の粒がそろっていて、納豆菌のかぶりがよくてなめらかだった。食感が大事だと思うので、大豆の蒸煮の仕方を工夫されたらいいのではないかと思う。
小粒・極小粒部門を担当した。納豆が大好きで、ぜひ鑑評会に参加したいと思っていたので、参加できてとても楽しかった。念願の審査員だった。実際に審査してみて、こんなに色んな納豆があるのだなと改めて感じた。審査のポイントとして、味、形、粘りどれに重点を置くべきなのか難しかったが、最終的には味を重視した。納豆真打検定を受験するにあたって、文化や歴史など納豆について学んだことが、今回の審査でも役に立ったのではないかと思う。