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  3. 福井県福井市「熟成!ごと納豆茶漬け」

全国納豆ファンの皆様こんにちは!
納豆大好き夫婦のリョウタ& トモコです!
納豆写真家の夫リョウタと食いしん坊OL の妻トモコが、日本全国に伝わる美味しい納
豆食文化を紹介する『ニッポンおいしい納豆地図』
今回は福井県福井市の納豆グルメをご紹介!

●日本海の恵み「福井県」

福井県は中部地方の北西に位置する日本海に面した自然豊かな土地。
海の幸、山の幸が楽しめるのはもちろん、自然が作り出した雄大な景色の東尋坊の他に、曹洞宗大本山の永平寺、また近年では恐竜の化石発掘量が日本一の『恐竜の街』としても知られており、多くの観光客が福井県を訪れている。

今回は福井駅近くに、『納豆料理専門店』があると聞きつけ取材を開始した。

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リョウタ「恐竜がお出迎えか!ワクワクするなー」
トモコ「ねぇ恐竜の肉って食べたら美味しいのかなー?」
どんな感想やねん。
今日も妻は食べもので頭がいっぱいのようだ。

●曹洞宗大本山 『永平寺』

まずは永平寺へ。

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永平寺は、高祖道元禅師により1244(寛元2 年)に建立された由緒ある禅寺だ。
禅宗の中でも最も修行が厳しいと言われ、現在も約160 名の雲水と呼ばれる修行僧が、修行生活をしている
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リョウタ
「立派なお寺やな。 掃除も隅々まで行き届いていて景観が見事やわ。 これも修行の一環なんやろな」
永平寺の修行は、午前3 時には起床し、読経、座禅、作務とよばれる掃除や手入れを休むことなく一日中繰り返すというハードスケ ジュール。
また修行中の食事は肉を使わない精進料理で有名だが、食べ方・片付け方などに細かく厳しい作法があり、炊事から食事まですべてが修行と捉えられている。

リョウタ「最後食べ終えた器にお茶を注いでたくあんで綺麗にするっていうのは有名やんな」
トモコ「聞いたことあるかも!」

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リョウタ「作り方にも細かな決まりがあるんやで」
トモコ「精進料理食べてみたい!けどお肉や魚が無いなんて残念ね」
リョウタ「だからこそ大豆はタンパク源として重宝されてるみたいやな。豆腐や味噌
や油揚げ、そして納豆も大豆が原料やん」
実は福井県は平均寿命が全国でもトップクラスなのだ。コレステロールが少なく、ヘ
ルシーな精進料理の文化が関係しているのかもしれない。

今日は精進料理と納豆のコラボ!なんて楽しめるかもしれない。
胸を躍らせながら目的のお店に向かう。

●老舗の納豆料理専門店

トモコ「ついたー!」
リョウタ「料亭みたいな素敵お店やな」

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この『葵』は全国でも珍しい納豆料理専門店。すべて地元の納豆製造会社「葵食品」
の納豆を使用しいる。バリエーション豊富なメニューで、20 年以上前から地元の人に
愛されている。
納豆料理のコースメニューまであるという。

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●絶品!納豆メニューの数々

店主「うちは納豆を使ったメニューが20 種類以上あるのよ」
トモコ「ええ! 20 種類も!?食べきれるかしら〜!」
目を輝かせる妻。
いや取材で全品お願いするわけないやん、、、
フードファイターの企画じゃないんやから。

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●海の恵み!『海鮮納豆』

まずは看板メニューの海鮮納豆をお願いする。

自家製納豆の上に、日本海でとれた新鮮な刺身(今日はカンパチ、鯛、平目、甘エビ、イカ) を載せて、沢庵、うずらを割って、わさび、海苔、ネギを載せたら

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完成!!

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リョウタ& トモコ「いただきまーす!」

お醤油を垂らして、よーく混ぜて、パクリ、、、

う、うまい!!!!

納豆に全く臭みがなく、口に入れた瞬間は新鮮なお刺身の旨味を感じるが、噛んで行
くほどに納豆の甘み、コクがどんどんでてくる。
口の中で、山と海が調和されて幸せな気分になる。

トモコ「このうずらの卵が口当たりをマイルドにしてくれてるのね!」
確かに納豆と海鮮と合わせると生臭さが前に出てまうことも多いが、見事に調和して
いる。
具材の種類が多いが丁度よく切りそろえてあるので、色んな食感を感じられる。一口
一口で違う表情がでてきて面白い。
リョウタ「沢庵の塩気とコリコリがアクセントやなぁ、日本酒飲みたくなるなぁ」

●職人の技『磯部揚げ』

海苔の上に、大葉、潰した梅を載せて、ネギを混ぜた納豆を揚げたら

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完成!!
抹茶塩でいただきます。

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う、う、うまいよ〜!!!!!

トモコ「美味しい!サクサクの衣にホクホクの納豆が合うわ〜!」
店主「うちの納豆は粘りが強いので、こうやって全部包まなくてもバラバラにならず
に揚げられるんですよ」

確かに半分開けたままあげてあるので、周りの納豆はカリほろで、中はしっとり。他
の包み揚げとは食感が全然違う。
梅と紫蘇の爽やかさも手伝って、後味はサッパリして、いくらでも食べられそう。

●熟成!ごと納豆のお茶漬け

店主「次はこれを使います」

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もろみ味噌のようなものが瓶に入っている。
これは『ごと納豆』と呼ばれるもので、ニンニク、醤油、唐辛子、昆布などを入れて半年〜一年ほど発酵熟成させた納豆なんだそう。
そのまま食べさせてもらう。
味噌のように塩分はさほど濃くなくマイルドで、それでいてチーズのような濃厚さがある。納豆の優しい甘みと香りにニンニクの香り、そして発酵熟成されたが強烈な旨味が食欲をそそります。

トモコ「美味しい!これがあったらお米五升は食べられるわ!」
実際にそれくらい食べそうだから妻は怖い、、。

「ごと納豆」をすり鉢で荒く潰して、

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わさび、海苔、青ネギを乗せたら、、
ごと納豆茶漬けの完成!

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緑茶を注いでいただきます。

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一口食べてみると、、

リョウタ「美味しーい!」
熟成納豆の塩分とお米の甘さが相まって、噛めば噛むほど幸せな味が口いっぱいに広がります、しみじみ日本人で良かった。
わさびとネギもアクセントになって、ズズズとすする手が止まりません。
三品めだというのに一気に完食してしまった。

トモコ「ちょっとちょっとちょっと!!私食べてないんですけど!!!!」
猛烈に怒り出す妻。
しまった!美味しすぎて妻に分けるのを忘れてた。。。食べ物のことで妻に恨みを買っ
たら最後、最悪命の危険まで覚悟しなければならない。
トモコ「あんたはほんと◇○×△♯&、、!!!」
勢いに圧倒されて、血の気が引いて黙る僕に「熟成してない納豆にコンソメをかけて食べても美味しいんですよ」と、店主がもう一杯出してくれた。

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トモコ「やーん!ありがとうございますぅ♪」

た、助かった、、、!!!!
納豆アートの志半ばのまま死ぬところだった、、、

コンソメ茶漬けの味はというと、こちらも最高に美味しい。
先ほどの熟成茶漬けより優しい味で、ネギのおかげなのか全体は驚くほど和の印象。
コンソメの塩分で豆の甘さが際立っている。
臭みの少ないこの自家製納豆だからこそなせる技だと感じた。

●納豆を広めるために「納豆料理専門店」

『葵』の店主 桧田暖子(ひだはるこ)さんと、従業員ドンちゃんさん話を聞いてみた。

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桧田さん「元々、この土地は納豆造りが盛んだったんです。海と山に挟まれて、雪深 い厳しい冬を越える保存食としても発展したのかもしれないですね」
地元に昔は多くあった納豆工場も、比較的安価な大手メーカーの参入などもあり、今は2 社だけになってしまったという。
そこで少しでも納豆を好きな人が増えてくれればという思いで、20 年前にこのお店をオープンしたのだそう。
桧田さん「納豆が苦手な人にも食べられるようにレシピを考えていますね。」
その独自の味を求めて今では全国からファンが訪れている。

リョウタ「精進料理でも納豆は使われたりしますが、関係あったりするんですか?」
桧田さん「どうでしょう?でも納豆を広めい一心で、色んな調理法のメニューは開発しましたね」
かつては40種類以上!あったメニューから、今は厳選した20 種類のメニューを提供している。

納豆専門店『葵』の絶品納豆メニューの数々は、まるで修行僧のような『納豆愛』の一念から生まれ、精進料理のように創意工夫が込められたメニュー達なのでした。

リョウタ「いやー全部美味しかった!!でも精進料理との共通点はあんまりわからんかったなぁ」
トモコ「え、共通点あったじゃん!五味どころか十味くらいあったじゃん!それにさ、最後にお茶を入れて食べたでしょ!?」
リョウタ「確かに笑」


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豆写真家夫婦
納豆写真家 リョウタ 

バター風味の納豆オムレツに出会って以来、 納豆の魅力に取り憑かれ新しい納豆料理を探す日々。 納豆への愛が日々強まり続けた結果、 日本独自の食文化である納豆が全国各地の特色と 混ざり合うことで、どのような形になっているのか を後世に伝える「納豆写真家」!? ライフワークは終わりなき納豆の可能性の探求。 まさに、「ねば〜エンディングストーリー」!

妻 トモコ

東京出身で一見どこにでもいるような普通のOL。 しかしその実態は、納豆のみならず食べることに 命をかけている納豆美人!美味いものがあると聞 くと、九州だろうが東北だろうが新幹線に飛び乗っ て、日本各地どこへでも旅立つ。 名言のひとつに「美味しいものを食べ尽くすには、 日本の有給は少なすぎる」がある。 『納豆女子コンテスト』で最終選考まで残った? という経歴の持ち主。リョウタの自慢の妻である。