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  3. 京都府京都市「とろとろ三重奏!納豆湯葉丼」

全国納豆ファンの皆様こんにちは!
納豆大好き夫婦のリョウタ& トモコです!
納豆写真家の夫リョウタと食いしん坊OL の妻トモコが、日本全国に伝わる美味しい納
豆食文化を紹介する『ニッポンおいしい納豆地図』
今回は京都市の納豆グルメをご紹介!

●千年の都「京都」

京都は言わずと知れた日本を代表する観光都市。古くから公家や皇居があった歴史あ
る土地だ。約2000 の寺院や神社が密集し「千年の都」とも呼ばれている。
金閣寺に始まり、清水寺、祇園、舞妓さん、紅葉、抹茶、漬物、八つ橋、京野菜、、、、と、京都のイメージを挙げればその数に限りはなく、日本文化の中心地といえるだろう。
今回は京都駅近くに『京都ならではの納豆丼』があると聞いた僕たち二人は、早速取材を開始した。

●まるで巨大アート!?京都駅

写真 京都駅はデザイン性が非常に高く、その斬新な造りから駅自体が世界でも屈指の巨大アート作品とも呼ばれている。
飲食店やおみやげ屋も多数入っていて、駅だけで一日観光できてしまうほどだ。

リョウタ
「すごい立体感や、、
迫力あるなぁ」

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思わずシャッターを切ってしまう僕。
改札を抜けると駅前のシンボルである京都タワーがお出迎えしてくれる。

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リョウタ「京都タワーってさ、この控えめな高さが京都らしくてええよな。『はんなり』っ
て感じでさ。」
トモコ「ねぇ!こっちに抹茶パフェフェアやってるよ!美味しそう!」
リョウタ「いや、はんなり、、」
トモコ「え?ハンバーガー!?それは京都っぽくないでしょ〜(笑)」

話が全く噛み合わない。
空腹時の妻の頭は胃袋と一緒に空っぽになるらしい。

●納豆発祥は京都!?

僕たちは駅から北西に位置する西本願寺へ向けて歩きだした。

トモコ「ねぇ、でもさ関西人って納豆苦手なんじゃなかったっけ?」
リョウタ「そのイメージは持たれてるやろな。けど、実は納豆発祥は京都という説も
あるんやで」

時は1300 年代、京都の京北。
光厳法皇が常照寺での修行中に、村人から献上された藁に包まれた煮豆が糸を引いているのに気づき、それに塩をかけて食べたのが始まりとされている。
「ねば豆」と呼ばれ、京北で作られるようになり、後に「鳳栖(ほうせい)納豆」と呼
ばれるようになった。
それから江戸末期まで毎年の京都御所への献上品として定着したのだそう。

トモコ「なんだか意外ね。元々は偉い人が食べるものだったのかしら」
リョウタ「うん。だから実は京都は納豆の遺伝子、『納豆ジーン』を受け継ぐ土地やと
踏んでるんや」
トモコ「また変な言葉作ってる(笑)」

●西本願寺前の老舗土産店

そんな話をしながら歩いていると目的のお店が見えてきた。

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リョウタ「西本願寺の目の前なんやな!京都らしい綺麗なお店やな」
トモコ「暖簾のマークがイチョウになってるね!あ、ソフトクリーム食べたい!」

この『ICHOYA』は45 年前から営業している老舗の土産店。観光客の方に休んでもら
いたいとの思いから、20 年ほど前に店内奥にイートインスペースを作ったそう。
今はお土産だけでなく、美味しい食事も楽しめるお店として、多くの観光客達の憩い
の場になっている。

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●感動!とろっとろの納豆湯葉丼!

リョウタ「納豆湯葉丼!そうきたか!」
トモコ「湯葉っていいよねぇ、いくらでも食べれちゃうよね!美味しい湯葉はかけ布団にして眠りたいくらいよ!」

妻のよくわからない大食い例えは無視して、早速メニューにある「納豆湯葉丼」を注
文する。

キッチンで作り方を見せていただいた。

まず、お出汁で生湯葉を温めて
厳選した納豆を投入。

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九条ネギを入れてしっかり出汁を吸わせたら、溶き卵をイン!
蓋をしてしばらく蒸らしたら、、、

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完成!!!

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見ただけでわかるとろっとろの湯葉と卵の陰に、ひっそりと納豆が顔を出している。
九条ネギの鮮やかな緑がまた食欲をそそる。

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リョウタ& トモコ「いただきまーす!」

う、う、美味い〜!!!!!!
トロトロのとろっとろ!!

口に入れた瞬間、優しいお出汁の香りとともに、とろとろの卵の甘さ、これまたトロ
トロの湯葉の大豆の風味が口いっぱいに広がる。
そして熱が入って少し柔らかくなった納豆が味のアクセントになって、全体にコクを
出している。

トモコ「なにこれ!びっくりするくらいクリーミー!」
店主「最初に湯葉と納豆に出汁をしっかり吸わせてから、卵は最後にちょっと蒸すく
らいの感覚で提供してるんですよ」
トロトロふわふわの口の中で、ホロホロとほぐれていくお米の食感が、また堪らない。

トモコ「この甘すぎない割り下がバランスをとっているのね!」
卵も湯葉も納豆もお米も、すべて優しい甘さなんだけど、互いの邪魔をしてなくて、それぞれが主役になっている。緻密に計算された絶妙なバランスだ。

添えてあった山椒をかけて食べてみる。

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リョウタ「美味しいっっ!!」
辛さ控えめの山椒の爽やかな香りが鼻に抜けて、具材のもつ甘さがさらに際立ちます。
トモコ「山椒をかけるとさらに京料理感が倍増するね!」
納豆に山椒は珍しい組み合わせだけど、まったく違和感はない。
山椒をかけただけなのに、最初の優しい味の印象から、一気に高級京料理のような印
象にガラリと変わった。
京料理の奥深さに感心してしまった。

●湯葉丼はおふくろの味

店主の伊藤雅仁 さんにお話を聞いてみた。

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伊藤さん「元々、湯葉丼は母の家庭料理でした。昔から家でよく食べていたものをメニュー化して提供するようになったんです。」
湯葉自体は京都ではもちろんメジャーな食材だが、当時、湯葉丼を提供するお店はかなり珍しかっのだそう。

リョウタ「そこに何故納豆を入れようと思いついたんですか?」
伊藤さん「賄いづくりですね。いつも自分で食べてる湯葉丼が飽きてきたんで、ある日思いつきで納豆入れてみたら美味しくて(笑)」
常連さんに出してみたら反応も良かったため、納豆の種類や味付けの改良を幾度と重ねて、今の形なったのだそう。
リョウタ「思いつきで!?やっぱり納豆は慣れ親しんだ食材ってことですね」

上品で主張しすぎない優しい味の調和。
まさに『はんなり』な納豆湯葉丼は、『納豆ジーン』の濃い京都ならではの納豆料理といえるだろう。

トモコ「納豆が湯葉の布団にくるまれてたねー。ふぁーぁ、お腹いっぱいになったら
私も眠くなってきちゃったー」
リョウタ「そんな食っちゃ寝してたら『肥満ジーン』になるよ(笑)」

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豆写真家夫婦
納豆写真家 リョウタ 

バター風味の納豆オムレツに出会って以来、 納豆の魅力に取り憑かれ新しい納豆料理を探す日々。 納豆への愛が日々強まり続けた結果、 日本独自の食文化である納豆が全国各地の特色と 混ざり合うことで、どのような形になっているのか を後世に伝える「納豆写真家」!? ライフワークは終わりなき納豆の可能性の探求。 まさに、「ねば〜エンディングストーリー」!

妻 トモコ

東京出身で一見どこにでもいるような普通のOL。 しかしその実態は、納豆のみならず食べることに 命をかけている納豆美人!美味いものがあると聞 くと、九州だろうが東北だろうが新幹線に飛び乗っ て、日本各地どこへでも旅立つ。 名言のひとつに「美味しいものを食べ尽くすには、 日本の有給は少なすぎる」がある。 『納豆女子コンテスト』で最終選考まで残った? という経歴の持ち主。リョウタの自慢の妻である。