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100歳を過ぎても元気な秘訣がわかった!
健康長寿の代表食は、納豆!

 昨年12月、世界保健機関(WHO)は、平均寿命に加え、健康な状態で過ごした期間を示す「平均健康寿命」(※1)をまとめた2003年版世界保健報告を発表しました。日本は平均寿命81.9歳、平均健康寿命75歳といずれも加盟192カ国中、トップでした。
具体的には、日本は4年連続で首位を維持したほか、続いて、サンマリノ(73.4歳)、スウェーデン(73.3歳)、スイス(73.2歳)などとなっています。日本人は男女別でも、男性72.3歳、女性77.7歳とそれぞれ1位でした。

※1 平均健康寿命は、平均寿命から重度のケガや病気の期間を差し引いた指数で、WHOが2000年版の報告から導入しています。

1.長寿の秘訣は適度な運動、腹八分目、禁煙

 100歳を過ぎても元気に生きるにはどうすればよいでしょうか? 毎日の運動、腹8分目、たばこを吸わないこと……この3要素が非常に大事だということが、国立療養所中部病院(愛知県)などの研究でわかりました。健康長寿をまっとうするには様々な要因があり、この調査結果は、長生きの俗説としてよくいわれることですが、基本的な要素であると考えられます。

 また、健康・体力づくり事業財団が100歳以上(百寿者)の約2800人のかたがたに聞き取り調査を行い、介助なしで自立した日常生活を送れる秘訣を探りました。その結果、生涯で全く喫煙しない人は一般に30%程度とされていますが、元気な百寿者では53%と大きな差がありました。喫煙率はというと、一般の高齢者では、80歳で喫煙率は40%程度とされますが、百寿者の80歳時は24%に過ぎませんでした。運動の効果も少なくありません。70〜80歳代に全く運動せずに、百寿に到達する人もいますが、うち健康な人は12%どまり。一方、散歩や草むしり、軽い体操など、毎日欠かさず体を動かしていたという場合、健康な人は17%もいました。食生活も影響大。40歳代以降に、食事で腹8分目、塩分控えめ、海藻類や生野菜などを意識的に食べる。この3つを心がけていた百寿者は、そうでない人の約1.4倍もおり、中年以降の食生活にも健康長寿のカギがありそうです。

2.動脈硬化が死因の隠れ1位

 健康長寿をまっとうするには、裏を返せば、死に到る病気にならないことが大切になってきます。現在、日本人の死因は1位がガン、2位が心臓病、3位が脳卒中です。2位の心臓病と3位の脳卒中は、いずれも血管の病気で、動脈硬化が大きな原因になっており、この両者を足せば、1位のガンをはるかに上回ります。ですから、まず、動脈硬化を予防することで、健康長寿の道が開けてくるのではないでしょうか。

 動脈硬化とは、血管(動脈)にLDL(悪玉コレステロール)がたまってくることから始まります。それが活性酸素(過剰に増えると体を酸化させる悪玉酸素)によって、酸化LDLに変性。すると、酸化LDLを異物とみなした、体内の防衛隊であるマクロファージ(貪食細胞)はどんどん取り込んでいきます。マクロファージは酸化LDLを取り込みながら大きくなり、泡沫細胞という状態になり、動脈の内膜に沈着。こうして内膜層が厚くなっていくと、血管内腔が狭くなるだけでなく、弾力性を失い、硬くなってしまいます。これが動脈硬化という病気です。やがて内膜層が破れ亀裂が生じ、その亀裂を修復するために集まった血小板によって、血栓がつくられます。それが次第に大きくなって血管を塞ぎ、血流が阻害されてしまうのです。

 では、動脈硬化を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。第一にあげられるのは、動物性脂肪の過剰摂取を防ぐこと。そのうえで、動脈硬化を防ぐ食材を積極的に摂取することが大事になってきます。じつは、納豆には動脈硬化を予防してくれる成分が豊富に含まれているのです。

 動物性脂肪などの摂り過ぎで血液がドロドロになってくると、動脈硬化が進行しやすくなります。そのドロドロ血液をサラサラにし、血栓を溶かす作用も期待できるのが、納豆です。倉敷芸術科学大学の須見洋行教授は、納豆のネバネバに含まれている酵素・ナットウキナーゼに、血栓を溶かす作用があることを突き止めました。前述したように、血液の流れを妨げる血栓は、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などを引き起こしかねません。それが、納豆を食べることで強力に予防することができるのです。

 血栓溶解剤として使われている、尿から抽出した「ウロキナーゼ」という酵素は、1回分、約20万円もするうえ、30分程しか効果が持続しません。しかし、ナットウキナーゼは効果が8時間も続き、納豆を100gほど食べるだけでよいといわれています。須見教授によると、脳梗塞や心筋梗塞など、いろいろな血栓症は、午前10時、それも月曜日に多発するそうなので、日曜日の夕食に納豆を食べるのが、予防には最も効果的だそうです。

 また、納豆のにおい成分であるピラジンは血栓が出来るのを防ぎ、心筋梗塞や脳卒中を予防してくれます。さらに、納豆の材料である大豆イソフラボンはHDL(善玉コレステロール)を減らさずに、LDLを減らす効果があります。そのほか、大豆に含まれているレシチンやリノール酸は血液を浄化し、サラサラにしてくれます。こうして見ていくと、納豆は血液をサラサラにし、動脈硬化を防ぐ、最強食品だといっても過言ではないかもしれません。

3.動脈硬化を防ぐ、納豆レシピ

 納豆のほか、タマネギも血液サラサラ効果が高い食品です。タマネギの黄色い成分であるケルセチンは、コレステロールが酸化されて血管に沈着しないように働いたり、細胞の老化を防いだりして、動脈硬化の予防に役立ちます。また、独特の辛味成分を硫化プロピルは、生で食べると血液中のブドウ糖の代謝を促し、ドロドロ血液を改善してくれるのです。このタマネギと納豆をおいしくかつ効果的に摂れるのが、オニオン納豆。どちらも生のままいただけるので、ナットウキナーゼなどの有効成分がこわされることはありません。
レシピは、以下の通りです。

●材料(4人分)
納豆 ……2パック
タマネギ ……中3個
ごま ……大さじ1
カツオ節 ……適量
<タレ>
ごま油 ……大さじ3
酢 ……大さじ2
酒 ……大さじ3
しょうゆ ……大さじ3
だし汁 ……大さじ3

●作り方
(1) タマネギはスライスして、塩でしっかりともみ、よく洗う。さらに冷水につけて、パリッとさせる。その間、タレの材料を合わせて、タレを作っておく。
(2) よくかき混ぜた納豆とタレを合わせる。
(3) それを、よく水を切ったタマネギにかけ、最後にカツオ節を散らして、出来上がり。