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今年度の日本一おいしい納豆は
有限会社ミドリヤの「みのり納豆 ほのか」に決定!

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日本が世界に誇る総合栄養食「納豆」の日本一を決める「全国納豆鑑評会」の第28回大会が大阪府大阪市で開催され、全国70メーカー、総出品数187点の中から、福島県の有限会社ミドリヤの「みのり納豆 ほのか」が栄えある最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞しました。

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第28回全国納豆鑑評会が2024(令和6)年11月22日(金)、大阪府大阪市の「ホテル京阪京橋グランデ」で開催されました。大会創設以来、初の大阪市開催となります。
大阪が誇る「なにわの伝統野菜」と、日本の伝統発酵食品である納豆は、いずれも優れた栄養価を持ち合わせています。両者を組み合わせることで、新たな美味しさの創出が期待されます。
今大会では、これらを単なる健康食材としてだけでなく、地域の新しい食文化を創造する重要な食材として位置づけ、より豊かな食の価値の創出を目指します。

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審査対象となる納豆は、全国納豆協同組合連合会(納豆連)に加盟する納豆メーカーが自社製造する製品で、今回の総出品数は全国70メーカーから187点にのぼりました。審査は研究者、文化人、食品関係者、省庁関係者など各分野の専門家16名によって行われ、納豆の「外観(見た目)」「香り」「味・食感」の3項目について、秀でたものを5点、劣るものを1点として評価。各項目の合計点数上位から受賞納豆が決定されました。

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最優秀賞を受賞した有限会社ミドリヤの「みのり納豆 ほのか」のほか、小粒・極小粒部門および大粒・中粒部門から優秀賞が各3点、優良賞が各2点、大阪大会特別賞として大阪府知事賞が各1点、近畿農政局長賞が各1点、ひきわり大豆部門から全国納豆協同組合連合会長賞が1点、納親会長賞が1点、アメリカ大豆部門からSSGA U.S.Awardが1点、アメリカ大豆サステナビリティアンバサダーアワードが1点、合計18点が選出されました(最優秀賞を含むと合計19点の賞が授与されました)。

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審査会場では、納豆の妖精「ねば〜る君」が来場し、緊張感に包まれた審査の様子をライブ中継で発信しました。

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集計作業中には納豆連活性化委員会主催の「第11回世界納豆まぜまぜ選手権」および「第11回世界納豆のびのび選手権」が開催されました。「ねば〜る君」の熱い応援を受けた参加者たちの懸命な挑戦に、会場は大いに沸きました。

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「まぜまぜ選手権」は納豆マガジンチームが70回を記録して優勝、「のびのび選手権」は北村ファミリーの北村紬ちゃんが9.89メートルを記録して優勝し、両チームには賞状とオリジナルTシャツが贈られました。

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授賞式は、審査員を務めた農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 食品製造課 課長の野添剛司氏と、アメリカ大使館 農産物貿易事務所所長のエリク・ハウセン氏による挨拶で開会。両氏は納豆産業のサステナブルな発展への期待を述べ、納豆業界の継続的な進化を願う言葉を贈りました。

会場が見守る中、全国納豆協同組合連合会の野呂剛弘会長が受賞製品を発表しました。審査員を務めた福島県納豆組合の村上未奈氏(有限会社ミドリヤ)が受賞製品を紹介する中、最優秀賞に同社の「みのり納豆 ほのか」が選ばれると、村上氏は感極まった様子で受賞の喜びを噛みしめ、会場全体が深い感動に包まれました。納豆の妖精「ねば〜る君」が天高く伸び上がり、その場の興奮は最高潮に達しました。

審査委員長を務めた全国納豆協同組合連合会の長谷川裕正顧問は、総評で「今回は非常に高い品質の製品が多く、上位での接戦となりました。改善の余地がある製品も一部見られましたが、審査結果は各社にフィードバックいたしますので、今後の品質向上と来年以降の積極的な参加を期待しています」と述べ、納豆業界の更なる発展への期待を示しました。

今回の大阪府大阪市での全国納豆鑑評会にご来場いただき、会場を盛り上げてくださった関係者の皆さま、ライブ配信をご覧いただいた皆さま、そして報道関係者の方々、本当にありがとうございました。これからも日本の伝統食納豆の魅力を伝えるため、普及活動に努めてまいります。

来年度の第29回全国納豆鑑評会は福島県で開催される予定です。来年もぜひご参加ください!!

以下、審査員のコメントを付記します。

講評

全国納豆協同組合連合会 会長 野呂剛弘

大粒部門を担当した。今年は品質の差がはっきりと表れており、審査・判断が非常に明確であった。優れた製品は高い完成度を見せる一方で、発酵が十分でない粘り気の少ない製品も見受けられた。納豆特有のねばねばを抑えた製品は、新たな消費者層の開拓を目指しているのかもしれないが、やはり本来の特徴である発酵の深さと強い糸引きを大切にした商品づくりを期待したい。高品質な製品も多く見られ、業界全体の技術向上を実感できる審査となった。

 

倉敷芸術科学大学 名誉教授 須見洋行

大粒部門を担当した。今回の審査は品質の全体的な向上により、採点に大変苦心する結果となった。特筆すべきは、黒豆納豆が全体の1割程度を占めており、各社の多様な商品開発への意欲が感じられた。黒豆納豆については、その独特な特性を考慮した独立した部門での審査も検討に値するのではないかと考えている。発酵の深さや糸引きなど、基本的な品質においても安定した水準を保っており、納豆業界の着実な進歩を感じさせる内容だった。

国立大学法人筑波大学 人文社会系 教授 石塚修

大粒部門を担当した。全般的な品質の向上は、鑑評会を継続してきた成果の表れと考えられる。特に今年は、白大豆以外にも黒豆を使用した製品の出品が目立ち、各メーカーの積極的な商品開発姿勢が感じられた。発酵の深さやバランス、糸引きの強さなど、基本に忠実でありながら個性的な特徴を持つ製品が多く見られ、審査のしがいがあった。納豆業界全体の技術力向上により、より多様な商品展開が期待できる結果となった。

全国納豆協同組合連合会 顧問 長谷川裕正

小粒部門を担当した。例年通り、全体的に優れた商品が揃う中、それぞれの個性も際立っていた。一部にアンモニア臭が強いものやチロシンの結晶によるザラつきが目立つもの、色が濃すぎるもの、苦味を感じるものなども見られたが、これらは各社の新たな挑戦の表れかもしれない。発酵度合いや風味のバランスは総じて高いレベルを維持しており、各メーカーの努力が十分に感じられる内容だった。今後も品質向上への継続的な取り組みに期待したい。

農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 食品製造課 課長 野添剛司

小粒部門を担当した。各社の工夫が光る中、風味や特徴に豊かな多様性が見られた。特に印象的だったのは、伝統的な製法を守りながらも、現代の消費者ニーズに応える工夫が随所に施されていたことである。香りの強さや糸引きの程度に各社の独自性が表れており、納豆市場の多様化に向けた積極的な取り組みを感じることができた。食品安全や品質管理の面でも高い水準を保っており、業界全体の努力を高く評価したい。

一般社団法人 味付けアドバイザー協会 代表理事 魚森清恵

小粒部門を担当した。全体的に高い完成度を感じる製品が揃い、特に大豆本来の旨味と甘みを活かした製品が多く見られた点が印象的だった。今回はタレなしでの審査により、素材の特徴がより明確に感じられ、各社の製法や品質へのこだわりが伝わってきた。市場では柔らかい食感が好まれる傾向にあるが、ご飯との相性を考慮した適度な弾力を持つ製品も見受けられ、多様なニーズへの対応を感じた。糸引きの強さや納豆特有の香りについては、特に関西市場での受容性を考慮した製品開発も今後の課題になるかもしれない。

近畿大学 講師 杉浦仁美

ひきわり・USA大豆部門を担当した。初めての参加で、その品質の高さに驚きを覚えた。全体的に優れた味わいを呈しており、特に粘り気が強く、滑らかな舌触りの商品が多く見られたことは、製造技術の高さを示している。一方で、粘り気が少なく酸味の強い製品も一部見受けられたが、これは製法や発酵時間による意図的な特徴なのかもしれない。新たな視点での商品開発にも期待が持てる審査内容だった。

令和5年度 納豆真打 村上友太

ひきわり・USA大豆部門を担当した。食べ比べ経験が浅く当初は不安があったものの、各製品の個性の違いを明確に感じ取ることができた。特に粘り気や香りの強さに特徴を持つ製品が印象的で、製造技術の高さを実感した。納豆の持つ健康・美容効果は、今後ますます注目されると考えられる。より多くの方々に納豆の魅力を知っていただき、さらなる普及につながることを期待している。