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  3. 東京・町田市「新感覚!納豆クレープ!」

全国納豆ファンの皆様こんにちは!
納豆大好き夫婦のリョウタ&トモコです!
納豆写真家の夫リョウタと食いしん坊のOL妻トモコが日本全国に伝わる美味しい納豆食文化を紹介する『ニッポンおいしい納豆地図』
今回は東京都町田市の屋台料理をご紹介!

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町田市は東京都の郊外西部に位置する巨大ベットタウン。
都心からは電車で30分ほどだが、神奈川県の大都市とも隣接していることから、町田独特の文化を育んでいる。地元にいながら渋谷や秋葉原の空気も感じられる場所として『西の渋谷、西の秋葉原』(東京の西部という意味)とも呼ばれている。
駅前はたくさんの商業施設が建ち並んでいるが、ひとたび路地に入ると昔ながらの飲み屋や乾物屋が並び、昔懐かしい風景も見られる下町の空気と、都会の空気の両方を備えた独特の街、それが町田なのだ。

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リョウタ「駅前は結構栄えてるなぁ」
トモコ「ほんとね!ショッピングビルがいくつもあって、なんでも揃うって感じね!でも納豆を使った屋台料理って一体なんなのかしら?」

そう、今回はなんと屋台で美味い納豆料理を出す店があるとの噂を聞きつけ、僕達二人は早速取材を開始したのだ。その昔、江戸時代の納豆の購入方法は主に行商だったという。ザルに入れて、長屋などを回ってひしゃくで計り売りしていたそうだ。
屋台と聞くとその趣も感じるし、案外相性が良いのかも?

きっと町田市らしい独特な納豆料理に出会えるはず!

●裏路地の商店街

駅前から少し歩くと商店街が見えてきた。
リョウタ「お、仲見世商店街。ちょっと入ってみよか。」

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60mほど続く小さなアーケードの商店街の中に、小籠包・ハンバーガー・アジア料理・立ち飲み屋と、様々なジャンルの個性的な飲食店が所狭しと並んでいる。
トモコ「色んな店があってなんか海外に来たみたいだねー」
確かに、昼間なのに妙に明かりが暗くて、人がひしめき合っている様子はアジアのどこかの国のマーケットのような雰囲気。入り口の昭和っぽい書体の看板にも下町情緒を感じる。

●個性の塊!クレープ屋台!

商店街を抜けてしばらく歩く。
リョウタ「んー、この辺のはずやけど•••」
今回お目当ての店「いくどん」。屋台営業でピンクの看板が目印とは聞いていたけど、それらしき店は見当たらない。
二人で周辺を探すこと5分。
トモコ「あった!」
声のする方を見て衝撃をうける。

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くれ〜ぷきっずいくどん?!
クレープ?!!
トモコ「え?ちょっと待って納豆クレープって、生クリームと納豆!?それって•••アリなの?(笑)」
リョウタ「いや生クリームなら相性いいかもよ、北海道には牛乳納豆茶漬けがあるし。でも確かにスイーツと納豆のコラボか、楽しみやな!」
しばらく二人で興奮していると、シャッターが開き、店がオープン!

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街のクレープ屋さんにしては独特の雰囲気が漂う店構え。
アジアの露店のような雑多な印象に、パステルカラーの紙にギッシリと書かれた全て手書きのメニューが、そのインパクトをさらに強めている。
店内のスピーカーからは、やたらノリの良いレゲエのBGMが流れている。
店内に吊るされたバナナの陰から、派手なバンダナを巻いた店主が顔をだし声をかけてくれた。
店主「いらっしゃい!」

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●創業30年!日本一のクレープ屋!

この『クレープきっずいくどん』は、某TV番組で日本一と紹介されてから、お客さんがさらに増えたそうだが、創業してから30年、毎日一人で営業しているという。

メニューを見ると『納豆玉子クレープ』『納豆チーズクレープ』といくつか種類があるようだ。
人気メニューは『納豆玉子クレープ』とのことでそちらを注文する。

まず生地を伸ばして

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玉子をここで割り入れて、綺麗にクレープの形にまとめる

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たっぷりのオニオンスライスを載せて

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ダシを入れたひきわり納豆を投入し、
食べやすいように巻いて、完成!!

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サラダラップを思わせるようなオシャレな見た目のクレープ。
クレープの聖地と言われる原宿や、本場のパリの街中で食べていてもまさか納豆とは気づかないだろう。

●繊細な味わい!納豆クレープ!

リョウタ&トモコ「いただきます!!」
さっそく一口食べてみる。

う、う、う、美味い!!!!!!

ほんのり甘みのある皮に、納豆のコクがベストマッチ!
またオニオンスライスのシャキシャキ感がアクセントになっていて、食感も良い。
トモコ「最初口に入れた時の感じはあっさりしていてサラダっぽいんだけど、噛んでいると後から皮の甘みと納豆の旨味がどんどん感じられてくるの。スイーツと食事の中間のような不思議な感覚ね!」
何よりクレープの皮がモチモチで本当に美味しい。皮も納豆も野菜も全てが主役で、最高のバランス!
雑多なお店の印象とは反対に、とても繊細な味わいだ。
店主「隠し味にすりごまを入れてるのよ」
ゴマの油分がアッサリしたひきわり納豆にマッチして、手が止まらない。
あっと言う間に食べ終えてしまった。
リョウタ「歩きながら食べられる納豆って初めてやなぁ。デートでも食べられそうだし、これは本当に新感覚やな!」

●誕生秘話

店主の山本圭子さんにお話を伺う。

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この納豆クレープは納豆好きの山本さんが考えたオリジナルメニュー。“入れたら美味しいかな、なんて思って、思いつきで自然とできたメニュー”だそう。
小さな子供の来店も多いため、あえてクセの少ないひきわり納豆を選んでいるのだとか。
山本さん「学校帰りの学生さんなんか栄養もしっかりとって欲しいしさ、納豆ならぴったりでしょ」

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気がつくと学校帰りの高校生がお腹を満たしたり、小学校の頃から通ってくれているお客さんが、今は結婚して家族を連れて来たりと、地元民の大事な憩いの場になっている。

『納豆クレープ』は、フランスと日本の食文化と店主の愛情が融合した、町田らしい個性的な納豆料理だった。

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豆写真家夫婦
納豆写真家 リョウタ 

バター風味の納豆オムレツに出会って以来、 納豆の魅力に取り憑かれ新しい納豆料理を探す日々。 納豆への愛が日々強まり続けた結果、 日本独自の食文化である納豆が全国各地の特色と 混ざり合うことで、どのような形になっているのか を後世に伝える「納豆写真家」!? ライフワークは終わりなき納豆の可能性の探求。 まさに、「ねば〜エンディングストーリー」!

妻 トモコ

東京出身で一見どこにでもいるような普通のOL。 しかしその実態は、納豆のみならず食べることに 命をかけている納豆美人!美味いものがあると聞 くと、九州だろうが東北だろうが新幹線に飛び乗っ て、日本各地どこへでも旅立つ。 名言のひとつに「美味しいものを食べ尽くすには、 日本の有給は少なすぎる」がある。 『納豆女子コンテスト』で最終選考まで残った? という経歴の持ち主。リョウタの自慢の妻である。