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  3. 長野県千曲市「カリふわ!納豆ステーキ」

全国納豆ファンの皆様こんにちは!
納豆大好き夫婦のリョウタ & トモコです!
納豆写真家の夫リョウタと食いしん坊の OL 妻トモコが日本全国に伝わる美味しい納豆食文化を紹介する『ニッポンおいしい納豆地図』
今回は長野県千曲市の納豆グルメをご紹介!

●絶景と温泉、花と歴史の街

長野県千曲市の旧・埴科郡戸倉町と更級郡上山田町は全国的に戸倉上山田温泉として知られ、善光寺詣りの精進落としの湯として明治期の開湯から100年余りの歴史を有する名湯の地として有名だ。

そんな千曲市に『贅沢な気分になれる納豆料理』を出すお店があると聞きつけた僕たちは、早速取材を開始した。

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上田駅で下車し、去っていく「はくたか」を見送り、しなの鉄道に乗り換える。

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駅員に手渡しで切符を渡し改札を出る。
目の前には、温泉のマークと共に「戸倉上山田温泉」と書かれたアーチが現れ、僕たちを見下ろしている。

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トモコ「わー! このレトロなアーチ、旅に来たーって感じで凄く良いわね!」
リョウタ「確かに。『旅行』ちゃうねんな。『旅』って感じがしてワクワクするな」

アーチをくぐり抜け、長い一本道を進む。視線を感じて振り返ると、まだアーチがこちらを見ている。まるで僕たちに微笑んでいるように感じた。

●お肌がつるつるになる「美肌の湯」

トモコ「ねぇせっかく温泉街に来たんだから、温泉入っていこうよ!」
戸倉の温泉は源泉が多くて、その泉質の良さからしっとりとした美しい肌を作るのが特徴。『美人の湯』として知られる長野県屈指の温泉街だ。
トモコ「『美人の湯』!?最高ね!今のままでも美人だから、更に綺麗になったら私困っちゃうな〜」
クネクネと妙なポーズをとる妻を無視して歩き出す僕。
トモコ「え無視?ちょっと待ってよー!」

僕たちはまずは温泉に入ることにした。

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サウナと景色の良い露天風呂が評判の『湯の里ちくま白鳥園』さんでお湯をいただくことに。

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僕たちは雄大な千曲川、信州の山々の並ぶ姿をながめながら、広々とした湯船で、ゆったりのんびりと温泉を満喫した。
トモコ「あー!気持ちよかった!」
リョウタ「温泉最高やったな!露天風呂景色ヤバかったわ!」
感想を言い合っていると、急にテーブルに食事が運ばれてきた。
トモコ「いただきまーす!!」

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リョウタ「おいおい!これから取材やのにがっつり天蕎麦頼んでるやん!しかもビールまで!」
トモコ「今日は旅気分なんだからいいでしょ。あと、納豆は別腹だから大丈夫!」
スイーツみたいに言うなよ。確かに納豆も大豆の甘味は感じるけど。
トモコ「ご馳走様でした!こんなに贅沢な気分になったの久しぶりだわ!」
リョウタ「でもさ贅沢な気分になれる納豆料理ってなんなんやろな?」
トモコ「ステーキだったりして」
リョウタ「納豆でステーキは無理があるやろ」
トモコ「そんなのわからないじゃん。もしステーキだったらどうするの?」
リョウタ「前から欲しがってたブランドもののバッグを買ってあげるよ」
トモコ「絶対だよ!」

●長野県民の健康の秘訣?

長野県は国内4位の県土を誇り、広大な土地には南アルプスが横たわる。その豊富な水源を利用した農業も盛んに行われている。

リョウタ「実は長野県の男性の平均寿命は全国一位なんやで」
トモコ「へ〜沖縄じゃないんだね!意外!長寿のまちなんだね」

長野県は高齢者の就業率も全国一位。山々の谷間で自然の恩恵を受けながら、高齢化社会に適応しているといえる。
リョウタ「きっと健康食代表である納豆と関係があるかもな」
期待に胸を膨らませながら、僕たちは目的のお店に向かった。

●割烹料理なのにベトナム料理も食べれちゃう?「割烹 本丸」

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目的のお店「割烹 本丸」さんに到着。

リョウタ「ついた!」
トモコ「立派な看板ね! 早く中に入ろう!」

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『割烹 本丸』は、創業33年の割烹料理店。店名の『本丸』は元々は東京・神保町の皇居の近くで営業していたことが由来する。割烹でありながらベトナム料理も出すという変わったお店で、店主自慢の多彩な創作料理が楽しめる。店名のついた『本丸巻揚』は、ライスペーパーの特製春巻きを揚げた人気メニューだ。店内はくつろぎやすい雰囲気で居酒屋として来店できる。予約必須の地元民に愛されている老舗店だ。

トモコ「わー、なんか実家に帰ってきたみたいな感じがして落ち着くーー!」

優しそうなご夫婦が歓迎してくれた。
差し出された温かいお茶が体に沁みる。

早速、メニューを開く。

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珍味と書かれた欄に見慣れない文字が………。

『納豆ステーキ』!?

トモコ「ステーキ!?確かに贅沢だね! 納豆オムレツはよく見かけるけど、納豆ステーキは初めて見た!」
リョウタ「確かに大豆は畑の肉とも言われるけど、、豆腐ハンバーグみたいなことなのかな?」
トモコ「きっと牛ステーキに納豆が乗ってるのよ!いや納豆の上に牛ステーキね!」

そんなシンプルな納豆トッピングのわけないやろと思ったが、なんだか楽しそうになので無視して注文してみる。

●カリふわ食感!絶品『納豆ステーキ』

キッチンで作り方を見せていただいた。

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・叩いた納豆
・木綿豆腐
・長ネギ
・長芋
をボールに入れ、甘口醤油を入れ混ぜ合わせる。

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ある程度、混ざり合ったら片栗粉を入れ、更に混ぜる。
この時の片栗粉の量が重要なのだそう。


フライパンを熱し、サラダ油を敷き焼いていく。
パチパチと焼ける良い音が鳴り、徐々に色が変化してく。良い香りがしてくる、、、

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キツネ色になったら完成!!!
見た目は本当にステーキ! 盛り付けの色どりも素敵!

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リョウタ& トモコ「いただきまーす!」

う、う、美味い〜!!!!!!
外はカリっと、中はモチモチ!!

口に入れた瞬間、外側のこんがり焼けた部分の香ばしさが広がり、噛んでいくほどに大豆の風味が口いっぱいに広がる。
そして、長ネギの食感と辛味がよいアクセントになっている。
なんだか懐かしさも感じる味だ。

トモコ「なにこれ!すごくモチモチでふわふわ!」
リョウタ「山芋が入っているおかげで弾力が増しているんや!」
トモコ「で、さらに木綿豆腐がふわふわ感がでてるんだ!」
リョウタ「それだけやない!木綿豆腐と納豆で二つの大豆のハーモニーがこの奥深い風味を演出しているんや!」

口の中で全てがまとまっていく感覚が堪らない。

甘口醤油だけのシンプルな味付けのおかげで納豆の旨味が完全放出されている。
添えてあった大根おろしと練がらしをつけて食べてみる。

リョウタ「美味しいっっ!!」

大根おろしのさっぱりした青味のあとに、練がらしの香りが鼻に抜けて、食欲が増す。

トモコ「やっぱり納豆といえば、からしよねぇ」

そうか!
納豆に刻みネギに醤油にからし、、、口の中でいつもの納豆が出来上がっているんだ!
だから、初めて食べるのに全く違和感がなかったのか。
実家に帰ったような安らげる店内で、安心する味に感動した。

夢中で食べていると、ご夫婦が「これはお酒のつまみにも最高だよ!」と教えてくれた。
確かにこれは絶対に酒に合う!

リョウタ&トモコ「ご馳走様でした!!」

あっという間に食べ終えてしまった。

●長寿の秘訣はステーキ!?

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店主のベトナム出身の朝田清明(あさだせいめい)さんにお話しを伺った。
浅田さん「この料理は、最初は自分の賄い料理の為に作ってたんだよ。納豆は元々好きで、毎朝朝食で食べてたんだよ」
リョウタ「納豆ステーキは人気ですか?」
店主「人気だね。予約する方は結構この料理を注文するね。」
納豆が苦手な奥様も、このステーキだけは好んで食べられるのだそう。
リョウタ「納豆は健康にいいと聞きますけど、病気はしないですか?」
朝田さん「いやぁーどうだろう今85だけど、元気に働けてるよねぇ」
85歳!?いや肌艶良すぎでしょ!さすが長野県!

千曲市の『贅沢すぎる納豆料理』は、国際的な店主が作る長寿の秘密の料理だった。


トモコ「温泉で血行が良くなったし、納豆で血がサラサラ!」
リョウタ「これで俺たちも長生きできそうやな!」
トモコ「あ! そういえばステーキだったじゃん!」
リョウタ「なにが?」
トモコ「ブランド品のバッグよろしくね!」
リョウタ「あ………ああ、納豆でできたやつでいいかな?」
トモコ「絶対嫌!」



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豆写真家夫婦
納豆写真家 リョウタ 

バター風味の納豆オムレツに出会って以来、 納豆の魅力に取り憑かれ新しい納豆料理を探す日々。 納豆への愛が日々強まり続けた結果、 日本独自の食文化である納豆が全国各地の特色と 混ざり合うことで、どのような形になっているのか を後世に伝える「納豆写真家」!? ライフワークは終わりなき納豆の可能性の探求。 まさに、「ねば〜エンディングストーリー」!

妻 トモコ

東京出身で一見どこにでもいるような普通のOL。 しかしその実態は、納豆のみならず食べることに 命をかけている納豆美人!美味いものがあると聞 くと、九州だろうが東北だろうが新幹線に飛び乗っ て、日本各地どこへでも旅立つ。 名言のひとつに「美味しいものを食べ尽くすには、 日本の有給は少なすぎる」がある。 『納豆女子コンテスト』で最終選考まで残った? という経歴の持ち主。リョウタの自慢の妻である。