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  3. 東京・墨田区「クリーミー納豆のピザ」

全国納豆ファンの皆様こんにちは!
納豆大好き夫婦のリョウタ&トモコです!
納豆写真家の夫リョウタと食いしん坊OLの妻トモコが、日本全国に伝わる美味しい納豆食文化を紹介する『ニッポンおいしい納豆地図』
今回は東京都墨田区の納豆グルメをご紹介!

●スカイツリーを有する観光の街

東京都墨田区は東京東部に位置し、両国国技館、江戸博物館、スカイツリーといった観光名所があり、連日多くの観光客が訪れる街だ。
昔ながらの下町文化が色濃く残る商店街と住宅街は、歩くだけで江戸の歴史を感じとることができる。そして、その後ろにそびえ立つスカイツリー。そのとてつもない大きさ故、墨田区のどこからでも視界に入ってくる。
最先端の科学力と下町情緒がミックスされた街。それが墨田区なのだ。

今回は墨田区に『納豆の家庭料理』があると聞いた僕たち二人は、早速取材を開始した。

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リョウタ「近づくとさすがにおっきいなぁ!大迫力や!」
トモコ「ねえ見て!エビフライのスカイツリー丼だって!」
色気より食い気。まったく上を見ずに飲食店ばかり見ている妻。
スカイツリーに併設された商業施設『ソラマチ』には多くの飲食店が入っており、各店舗にはスカイツリーの形を模した名物料理が用意されていて、歩くだけで楽しい気分になる。
目的のお店はもう少し離れた場所にあるため、観光もほどほどにして、先を急ぐことに。
トモコ「でも家庭料理って?一体なにが食べられるのかしら?もしかして納豆ご飯とか?(笑)」
リョウタ「それは地味やなぁ(笑)話題になるほど美味しい納豆ご飯なら、逆に食べてみたいけどな」

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そんな話をしながらスカイツリーのある押上駅から歩くこと20分、東向島駅という駅に着いた。駅前の商店街の規模はあまり大きくなく、小さな商店が連なっている。老舗の着物屋や煎餅屋などが静かに営業していて比較的静かな駅前だ。
目的のお店はそんな駅前のさらに奥、さらに静かな住宅街の片隅でひっそりと営業していた。

●下町の本格イタリアン!

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リョウタ「お洒落な外観!まさかのイタリアンとは!」
シャッターを切る僕。
トモコ「やったー!チーズ!トマト!オリーブオイル!チーズ!トマト!オリーブオイル!」
謎の小踊りを始める妻。
それぞれ大興奮の中、早速取材を開始することに。

このイタリアンレストラン『カトリカ』はフランスとイタリアで20年以上修行したご主人が17年前に開店したお店。
当初はテイクアウト専門のお店だったが、お客さんの要望でイートインを始めてから、今のレストランの形に徐々に変化していったのだという。
メニューはピザ、パスタ、メインとシンプルな構成だ。

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●もちもちの納豆ピザ!!

お洒落な店内に感動しながらも、早速メニューにある「納豆のピザ」を注文する。
店主「ピザを作る過程は、外からなら見えやすいですよ」
店外でカメラを構えて、作り方を見せてもらった。

まず生地を伸ばして

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早速、納豆投入。
東向島産の「いろは納豆」を使用しているんだそう。

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モッツァレラチーズとネギを乗せて
卵、マヨネーズ、オリーブオイルを振りかけたら

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ピザ窯へ

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2、3分で取り出したら、仕上げに海苔とパルメザンチーズを乗せて
完成!!

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たっぷりと散らしたノリの黒に、あさつきの緑が鮮やかに映え、薄く振ってあるパルメザンの白がまるで粉雪のようだ。
そしてピザを一切れ持ち上げた瞬間に、半熟卵の鮮やかな黄色が目に入ってきた!!

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う、美しい!!!

カメラのシャッターが止まらない僕に「早く食べようよ!冷めちゃうじゃない!」と苛立つ妻。

リョウタ&トモコ「いただきます!」

う、う、う、美味い!!!!!
とろっとろの、モッチモチやぁー!!

口に入れた瞬間、海苔の香りと納豆の香りがフワッと口いっぱいに広がる。
マヨネーズとオリーブオイルだけのシンプルな味付けなのに、とても濃厚で奥深い味わい。
トモコ「モッツァレラチーズが納豆の邪魔をせずにクリーミーさをだしているのね。さらにこの半熟卵が口当たりの良さとコクを出しているわ」
確かに食べ心地がめちゃくちゃクリーミーだ。
たっぷり乗ったネギの食感もよく、全体的に驚くほど「和」の印象だ。
ん?この感じどこかで食べたことあるような…?トモコ「あと、このモチモチふわふわの生地は噛みごたえもあって、納豆にぴったりだわ」

店主「うちのピザ生地は独自の小麦の配合で、しっかり熟成させているんですよ」
そうか!この弾力があって甘みのある生地が、まるでお餅やお米みたいに感じていたのか!

●日本人の舌に馴染む味

店主の森山東(もりやまひがし)さんに話を聞いてみた。

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リョウタ「この納豆ピザはどうやって生まれたんですか?」
森山さん「日本のもので何か和風のものは出せないかと考えていたんですよ」
イタリアから帰国し今のお店を始めた頃、高齢者も多いこの下町の土地で、馴染みの薄いイタリア料理に少しでも興味を持ってもらえるよう、納豆ピザを考案したんだそう。
納豆も地元のものを使い、野菜も各地からこだわりのものを契約農家から取り寄せている。
森山さんは「ピザなんてものはイタリアでは家庭料理で、そんな大それたものじゃない。好きなものを載せて食べればいいんです。肩の力を抜いて楽しんで欲しい」と謙遜するが、その裏には美味しく食べるための創意工夫がつまっていた。

日本人の舌に合うように考えつくされた納豆ピザ。
これはもはや日本の家庭料理と呼べるのかもしれない。

トモコ「ほらね!おいしい納豆ご飯だったじゃない」
リョウタ「たしかにそうかもな(笑)」

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豆写真家夫婦
納豆写真家 リョウタ 

バター風味の納豆オムレツに出会って以来、 納豆の魅力に取り憑かれ新しい納豆料理を探す日々。 納豆への愛が日々強まり続けた結果、 日本独自の食文化である納豆が全国各地の特色と 混ざり合うことで、どのような形になっているのか を後世に伝える「納豆写真家」!? ライフワークは終わりなき納豆の可能性の探求。 まさに、「ねば〜エンディングストーリー」!

妻 トモコ

東京出身で一見どこにでもいるような普通のOL。 しかしその実態は、納豆のみならず食べることに 命をかけている納豆美人!美味いものがあると聞 くと、九州だろうが東北だろうが新幹線に飛び乗っ て、日本各地どこへでも旅立つ。 名言のひとつに「美味しいものを食べ尽くすには、 日本の有給は少なすぎる」がある。 『納豆女子コンテスト』で最終選考まで残った? という経歴の持ち主。リョウタの自慢の妻である。