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男性の3割が肥満!納豆+αで健康的にやせる!

 日本人の肥満傾向に拍車がかかっています。とくに男性は顕著で約3割が肥満というデータが発表されました。肥満の原因はいろいろありますが、高脂肪食の過剰摂取や運動不足が主な原因。それらを防ぐと同時に、ダイエット効果のある納豆を積極的に摂ることがおすすめです。その納豆といくつかの食品を組み合わせることによって、健康増進効果はさらに高まります。

1.止まらない肥満。特に男性は深刻

 肥満は、健康の大敵。動脈硬化を促進し、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病などの原因になりかねません。厚生労働省は2000年当時、健康政策「健康日本21」(※1)で、今後10年間で肥満男性を現在の「4人に1人」から「6人に1人」に減らすという、具体的な数値目標を掲げました。しかし、日本人の肥満状況は、その当時よりも悪化していることがわかりました。

 特に問題となっているのが、男性の肥満です。2000年当時の「4人に1人」から現在では「3人に1人」に迫りつつあります。10年計画の中間点ともいえる現時点で、目標に近づくどころか逆に離れつつある深刻な事態に、厚労省は危機感を募らせています。

男女別の具体的な目標値は、次のとおりでした。男性(20〜69才)の場合は2000年当時、24%だった肥満者(※2)の割合を、15%まで下げること。女性(40〜69才)の場合は、25%だった肥満者の割合を20%まで下げるというものでした。しかし、今回、厚労省が中間値をまとめたところ、男性が29.4%、女性が26.4%と肥満が進行していることが明らかになったのです。
また、肥満の原因の1つである、お酒に関するショッキングなデータも報告されました。日本酒で1日3合以上を飲む「多量飲酒」が、男性で4.1%から3.2%まで下げる目標に対し、7.1%にまで増えていたのです。

※1 「健康日本21」とは、がんや糖尿病などの生活習慣病の予防を目指し、厚労省が国民向けに食生活や運動、休養など9分野、計70項目の目標値を設定したものです。2010年までの10年計画で、「塩は1日に10グラム未満」といった細かい目標を示し、話題となりました。

※2 肥満の基準は、日本肥満学会が1999年に決めた診断基準が一般的に使われています。体重(kg)を身長(m)の二乗で割った数値が「25」以上だと肥満にあたります。たとえば、身長170cmの人は、63.5kgが適正体重、72.2kg超が肥満になります。

2.高カロリー食と運動不足で肥満の道へ!

なぜ太ってしまうのか。この答えは、きわめて明快です。食物からの摂取カロリーが、運動や基礎代謝による消費カロリーよりも大きければ、その差の分だけカロリーが身体に蓄積されて太るというわけです。逆の関係になれば、太ることなく、痩せるという、とても明快なものです。 また、人間の体は脂肪を貯めやすく、年令とともにカロリーを消費しにくくなってきます。そのため、加齢にしたがって、太りやすくなってくるのです。では、肥満の原因を具体的に見ていきましょう。

基礎代謝の低下
 加齢とともに太る原因としては、若い頃より筋肉量が減ってきて、基礎代謝が低下していることが挙げられます。にもかかわらず、若い頃と同様にたくさん食べてしまうと、消費カロリーに対して摂取カロリーは増加。その結果、余分なカロリーが脂肪として蓄積されてしまうわけです。

高脂肪食の摂取
 食生活の欧米化が進み、脂肪分の多い食事が増えています。特に外食は高脂肪食が多くなっています。お酒やビールだけのカロリーはそれほど多くはありませんが、高脂肪分のおつまみを食べるとカロリーオーバーになってしまいます。

食べる時間、食べ方が不規則
 現代は、忙しい時代ですから、少しでも睡眠時間を多くとろうと、朝はぎりぎりまで寝ていて、朝食を抜く人も多いようです。朝食を抜くと、昼食の時の栄養摂取能が高まってしまい、エネルギーを余計に取り込んでしまいます。
 また、お昼休みは1時間ほどしかなく、ゆっくり食事もできないことが多いのではないでしょうか。そのため、どうしても食事のスピードが早くなりがちです。しかし、満腹中枢が働くには食べ始めてから20分以上はかかります。早食いをすると満腹感が出にくいので、ついつい食べ過ぎてしまいのです。

間食は大抵の場合、ケーキやクッキーなど甘い物、あるいはスナック菓子のようなカロリーの高いものが多くなっています。しかも、この時間帯にはお腹も少し空いてきていますから、体の吸収能も上昇しています。

夜食も良くない習慣で夜食症候群という言葉もあるほどです。就寝してからは体の消化器官が活発に活動を始め、養分の吸収を開始します。ですから、夜食は、高い確率で脂肪に変わってしまうのです。

運動不足
交通機関の発達、自動車の普及などから、現代人は本当に歩かなくなりました。慢性的な運動不足は見た目が悪くなるだけでなく、生活習慣病を引き起こす内臓肥満などの原因になりかねません。少なくとも週3回以上、20分以上のウォーキングは心がけたいものです。

その4 納豆+αダイエットで肥満を防ぐ

肥満を防ぐには、高脂肪食や間食の過剰摂取を防ぐと同時に、適度な運動を心がけたいものです。それとともに、ダイエット効果のある食品を摂取するのが、ベスト。肥満を防ぐ食品はいろいろありますが、その1つが納豆です。さらに、納豆といくつかの食品を組み合わせることによって、味もさらにおいしくなり、しかもさまざまな健康効果が期待できるのです。

その1 キムチ納豆
納豆に含まれる大豆タンパクには、脂肪の貯蔵を抑制し、脂肪の燃焼を促す甲状腺ホルモンの活性を高め、過剰な脂肪の貯蔵を防ぐ働きがあります。 また、基礎代謝を高め、何もしないじっとした状態でも、エネルギー燃焼量を増やすことも期待できます。つまり、食べるだけで「やせる効果」が期待できるのが納豆に含まれる大豆タンパクなのです。
特に大豆食品の中でも、納豆は血清コレステロールを低下し、栄養価も高いため、最高のダイエット食品といえるのです。

その納豆とキムチを組み合わせることで、さらに健康増進効果は高まります。
納豆とキムチは日本と韓国を代表する、発酵食品です。発酵食品というのは、自然界から混入した微生物によって生成したものです。

病気の多くは血のめぐりが原因で引き起こされます。実際、日本人の死亡原因で、血のめぐりが原因で起こる症状(心筋梗塞・脳梗塞・痴呆症など)を合計すると、ガンに匹敵するほどです。その原因となるのが、血栓です。本来、血栓は常につくられ、分解されていくものです。ところが、加齢やストレスによってうまく分解されないと、血のめぐりが悪くなり心筋梗塞、脳梗塞、痴呆症などを引き起こす原因となるのです。そこで、注目したいのが納豆の血栓溶解作用です。そのパワーは世界中の食べ物のなかでもナンバー1といっていいほどです。血栓はフィブリンという特殊なタンパク質です。

そのフィブリンを分解する酵素は、ほとんどありません。ところが、納豆にはナットウキナーゼというフィブリンを分解する酵素があるのです。さらにキムチに含まれているニンニクには血小板凝集反応を抑える作用があり、血栓をつくりにくくする作用があります。つまり、納豆キムチには、キムチのニンニクによって血栓ができにくくなり、さらに納豆のナットウキナーゼが血栓をとけやすくするという相乗効果があるのです。納豆菌がキムチの乳酸菌の増殖を助ける一方、キムチには1g中に何億という乳酸菌が含まれています。乳酸菌は、いわゆる善玉菌のこと。健康な人ならたいへんな数を持っていて、腸内をきれいにしてくれますが、体が弱るとその数が減少します。そこで乳酸菌を外から摂取する必要があるのですが、納豆菌を乳酸菌といっしょにとると、乳酸菌の増殖を助けることがわかりました。納豆菌が分解され、それを乳酸菌が餌にして成長していく、すなわち納豆菌のグロスファクター(成長因子)を使って、キムチの乳酸菌が増殖するのです。

なので、キムチ納豆は乳酸菌を効率的に腸内にとり込むという意味でも非常に意味のある食べ合わせです。また、たいへん都合のいいことに、納豆菌はO-157やコレラ菌などに対しては、菌の増殖を抑制する作用があります。つまり、納豆は、乳酸菌などの善玉菌の増殖を助け、悪玉菌の増殖を防ぐ力があるのです。さらにキムチ納豆は、日本人の死亡原因のトップであるガンも予防します。大豆の抗酸化作用は納豆になることで4倍にもアップしますし、キムチの乳酸菌が腸をきれいにすることでガンを予防してくれるのです。

また、納豆に含まれているビタミンKには骨粗鬆症を予防する働きがあることもわかっています。しかもビタミンK2は納豆特有の成分といっていいものです。骨粗鬆症は、骨が弱くスカスカになる症状です。

骨を丈夫にする成分としてはカルシウムが有名ですが、カルシウムは単独で補給しただけではなかなか骨には付着しません。ビタミンK2はカルシウムを付着させる糊(オステオカルシン)をつくるために必要な存在なのです。

オステオカルシンがあれば、補給されたカルシウムは骨にしっかりとくっついていきます。男性に多い心筋梗塞などの血管系の病気、女性にとって深刻な悩みである骨粗鬆症と、納豆キムチは性別を問わず効く食べ合わせといえるでしょう。血栓予防や骨の強化という意味では1日1パック食べれば十分です。

 なお、作り方ですが、納豆1パックに適当な大きさに切ったキムチ50gを混ぜるだけで簡単にできます。

その2 タマネギ納豆
 キムチに負けず劣らず、納豆と相性がいいのが、タマネギです。納豆と同様、タマネギも血栓を予防する作用があります。タマネギを切ると、涙が出てきますが、これはタマネギに含まれる硫黄化合物によるものです。この成分に、血小板の凝集を抑制する作用があるのです。

 作り方は、まずタマネギ1/4〜1/2個をみじん切りにし、15分〜1時間、空気にさらしておきます。次に、それを納豆1パックと混ぜ合わせます。しょうゆ、カラシなどで味つけをすればOK。タマネギには甘味があるので、しょうゆは少なめがいいでしょう。

 ポイントは、タマネギを刻んでから水にさらしてしまうと、せっかくの有効成分が出て行ってしまいます。そこで、水ではなく、空気にさらすのです。タマネギに含まれるアイリンという物質は空気に触れることによって、ビタミンの吸収を高めるアリシンという成分に変化します。この成分を効率的に摂取するために、タマネギを刻んだら、空気に15分〜1時間さらすといいでしょう。

その3 カレー納豆
 意外かもしれませんが、カレーと納豆も相性が抜群です。カレーに含まれる香辛料には、健康増進効果が高いといわれるハーブが数多く含まれています。下痢や腹痛に効くナツメグ、風邪予防や体の痛みを改善するシナモン、利量作用があり、目にいいといわれるフェンネルなど、枚挙にいとまがありません。

 しかも、カレーの黄色い着色料として有名なターメリックは、肝機能障害に効果を発揮するウコンでもあります。また、辛味成分であるレッドペッパーやパプリカなどには、発汗作用や脂肪燃焼効果のほか、血液の循環を活性化する働きがあります。つまり、納豆の血液サラサラ効果がさらに高まるわけです。

 作り方は、納豆1パックにカレー粉小さじ1杯を広く、まんべんなく振りかめます。そして、よくかき混ぜれば出来上がり。お好みでしょうゆをかけてもいいでしょう。

 このように、納豆にキムチやタマネギ、カレーを加えるだけで、いろいろな健康効果がよりいっそう期待できます。味もどれもよいので、習慣にしてはいかがでしょうか。