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前立腺ガンの予防は少し激しい運動、
納豆の常食が効果的

 65才以上の男性に多い前立腺ガン。最近では日本人にも多くなってきましたが、その予防に週3時間の少し激しい運動が効果のあることがわかりました。また、納豆にも前立腺ガンを予防する効果もあります。

1.少し激しい運動が前立腺ガンのリスクを軽減

 65才以上の男性で、週に最低3時間以上、活発な運動をする人は、ほとんど運動しない人に比べて前立腺ガンで死亡する危険率が70%も低くなることが、米ハーバード大(マサチューセッツ州)の14年間に及ぶ調査でわかりました。

 これまでにも、運動は前立腺ガンの発症を抑えるといわれてきました。しかし、死亡率を優位に減少にさせるには、どれくらい運動したらよいのかを明確にしたのは今回の調査報告が初めてになります。すでに、米医学誌に発表されており、大きな反響を呼んでいます。

 同大の研究チームは、1986年から約4万7000人の医療従事者を対象にして、ウオーキング、自転車、水泳、テニス、スカッシュ、ボートこぎなど、週あたりの運動時間と前立腺ガンの発症との関係を調べました。

 この間に約2900人が前立腺ガンを発症。うち482人が治療成績の悪い進行性のガンでした。65才以上の男性に限ると、週3時間以上運動する人では、進行性の前立腺ガンの発症は、ほとんど運動しない人に比べて少なく、死亡危険率の減少につながっていました。

 研究チームは「前立腺ガンの進行を抑え死亡率を下げるには、適度というより少し激しい運動の方がいいようだ」としています。

 週3時間以上、テニスや水泳などの少し激しい運動をしたいものですが、やはり無理は禁物。前立腺ガンを予防するために、できる範囲で実行したいものです。

2.納豆こそ前立腺ガンの予防食

 少し激しい運動のほか、前立腺ガンを予防するために摂取したいのが、納豆の材料にもなっている大豆です。

 前立腺とは、膀胱と尿道の境目にあり、精子に栄養を与える器官です。前立腺ガンとは、この器官に発生するガンのことをいいます。

 前立腺ガンは、女性ホルモンのエストロゲンの不足が一因で、治療にはエストロゲンが利用されています。この治療法は手術療法や化学療法、放射線療法よりも効果があるといわれています。エストロゲンを利用するとガンは縮小し、骨に転移して腰痛を起こしている場合でも痛みは軽減します。

 この前立腺は欧米に多く、日本を含むアジア諸国には少ないガンです。また、欧米の場合、このガンにかかると転移し、死亡率が高くなるのに対して、日本人の死亡率は少なく、たちの悪い進行もあまり見られません。

 なぜアジア諸国に少ないのかというと、1つには大豆製品の摂取量が関係していると考えられています。実際、前立腺ガンを移植したラットの実験では、ラットに大豆の成分を投与すると、腫瘍が小さくなったという結果が出ました。

 ですから、前立腺ガンを予防するためにも、大豆が原料である納豆を積極的に摂取することは、とても有効な方法だといえます。ただ、日本でも最近、前立腺ガンは増加の傾向にあります。これは高齢化が進んだことも影響していますが、それ以上に食生活の欧米化が大きな原因ではないかともいわれています。今一度、納豆を含めた日本食を見直し、前立腺ガンの予防に努めたいものです。