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納豆健康学セミナー

時事通信ホールに於いて、
第八回「納豆健康学セミナー」を開催

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2012年3月16日、東京・東銀座の時事通信ホールにおいて、「第8回納豆健康学セミナー」を開催しました。

日本を代表する伝統食品である納豆は、健康医学、栄養学、薬学など多分野で研究が続けられています。そして、納豆に含まれる成分にO-157などに対する抗菌作用や、アンチエイジングの成分のポリアミンなど、新たな機能性成分が続々と解明されはじめています。
「納豆健康学セミナー」は、そうした納豆研究の第一線で活躍されている研究者の最新研究結果を提供し、納豆の見識を一層深めていただき、記事や報道に活用してもらうことが目的。平成15年より開催されており、今回で8回目を迎えます。

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当日は、納豆好きの学生や主婦をはじめとする一般聴講者を含む、多くのマスコミ関係者の方々が訪れるなか、納豆研究の先生方3名をお招きし、最新の研究成果を発表していただきました。

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セミナーの初めに、全国納豆協同組合連合会(以下:納豆連) の笹沼隆史会長が「震災以降、『きずな』や『つながり』を重視する伝統的な生活様式や和食が再評価され、納豆を囲む食卓の原風景もまた再評価されています。それ故に、納豆連加盟各社は安全で安心な納豆の供給に努め、消費者の皆様の健康と幸福な生活に寄与することをお約束します」と挨拶をしました。

続いて各研究者の発表です。
一人目の発表者は熊本市民病院診療部長、熊本大学医学部臨床教授の橋本洋一郎先生。脳梗塞治療の権威である橋本先生は、「脳梗塞の予防〜納豆“解禁”新薬登場〜」の研究を発表しました。

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最初に、脳梗塞の予防や再発予防の抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)について解説。「いままではワルファリンという薬が使われてきました。しかし、この薬は納豆やクロレラ、青汁など、ビタミンKを多く含む食物の摂取制限を必要とします。納豆は1回食べると腸内で納豆菌がビタミンKを1〜2週間作り続けることがわかっており、本来は健康に良い食品なのですが、ワルファリン内服中の患者さんには納豆を食べることは禁止されていました。しかし、昨年3月に半世紀ぶりにダビガトランという新規経口抗凝固薬が登場。この新薬は食品の影響を受けず、薬物相互作用が少ないため、服用中でも納豆を食べることが可能で、納豆好きの患者さんには大変喜ばれています」
薬の説明の後は脳卒中や脳梗塞は肥満や高血圧、喫煙、多量飲酒のほか、心臓病までも原因となること、そして禁煙、減塩、節酒、食生活の改善などの予防についても詳しくお話しいただきました。

続いての講演は、筑波大学大学院 人文社会科学研究科 文芸・言語専攻准教授の石塚修先生による「新資料・西尾市立岩瀬文庫蔵『納豆考』の翻刻と紹介」です。

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石塚先生は、千利休が天正15(1590)年から開催した茶会の献立から100回中7回も納豆汁でもてなしており、じつは関西でも納豆食が古くから親しまれていたことを説明。その後、明治6年から16年にわたり書き継がれた納豆百科「納豆考」を引用しながら、江戸時代の納豆行商人はザルに入れた納豆をマスで量って売っていたこと、明治になると藁苞納豆が東京に出現したこと、さらに東京納豆を製造する大きな問屋は伊勢太と伊勢平があり、当時の本郷大根畑、現在の文京区湯島2丁目にあったこと、納豆と大豆麹はその製法から明治期は隣接産業にあったこと等々、納豆にまつわる興味深いエピソードを、笑いを交えて解説されました。

最後は自治医科大学さいたま医療センター准教授の早田邦康先生による「納豆に含まれるポリアミンによる健康長寿の研究成果と今後の展開」です。

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早田先生は、88週齢の高齢マウスに高ポリアミン食を与えた実験から、ポリアミンに遺伝子保護作用があることを報告。加齢とともに遺伝子の暗号が読みにくくなる、遺伝子修飾という現象を抑制し、免疫細胞の幼若化反応を促進するなど、ポリアミンが遺伝子レベルで老化を防ぐ研究結果を発表しました。さらに、アンチエイジング効果を有するのはスペルミジン、スペルミンですが、哺乳類にはスペルミンがより重要であること、納豆を一日66g、毎日食べるとポリアミン血中濃度がアップするなど説明され、「現在、ポリアミンが大腸がんや乳がんなど、炎症によって発生する癌を抑制する効果を研究中。次回の研究発表をお楽しみに!!」と講演をしめくくりました。

講演の合間には、納豆連公認キャラクター納父さんとアニメ「頑張れ!!納父さん」の紹介をはじめ、「7月10日は納豆の日」をPRするために7月6日に行われた「水木一郎 納豆大使任命式&納豆連公認納豆ソング『ヒーローはNeverねばGive Up!』の記念イベントの模様や、「1月10日の糸引き納豆の日」のキャンペーンなど、納豆連のPR活動が報告されました。

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最後に出席者からの質疑応答を受け、「納豆健康学セミナー」は無事に終了!

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今後も納豆連では「納豆健康学セミナー」などを通じて、様々な分野の研究者による最新の研究結果から、“新たな納豆の魅力と機能性”についてアプローチし、“納豆の素晴らしさ”を広く消費者の皆様に伝えていく予定です。